D型セリンの合成・分解を担う二酵素(細胞性粘菌セリンラセマーゼ、出芽酵母由来D.セリンデヒドラターゼ)の生化学的な解析を行った。細胞性粘菌由来セリンラセマーゼが、Mg^<2+>やCa^<2+>に加え、Na^+によっても活性化されることを見いだし、Na^+による活性化効果が、二価金属への結合に起因することを明らかとした。 また、出芽酵母D.セリンデヒドラターゼが要求するZn^<2+>の意義について検証した。Zn^<2+>はD.セリンからのαプロトンおよびヒドロキシル基の脱離に必須であった。また、本酵素反応において、D.セリンからのαプロトンの引き抜きとヒドロキシル基の脱離が共役することを明らかとした。
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