研究課題
国際半乾燥熱帯作物研究所西・中央アフリカ支所(IWCA)に3機の円柱型ライシメータ(直径2m、高さ2.3m)を追加した。この追加した3機と既存の6機のライシメータに対して、砂層の厚さで3処理区(クラストが露出した区、クラストの上に砂層が3cm堆積した区、同7cm堆積した区)を設けた。まず、それぞれのライシメータの土壌表面にクラストを形成させ、2006年からIWCAで行った「耕地内休閑システム」の有効性検証試験の際に採取した休閑帯に捕捉された土壌(砂含量95%)を、各砂層の厚さに従ってクラストの上に敷き詰めた。これにより、土壌表面の状態が土壌中の養水分動態に与える影響を評価するための試験準備が完了した。ただし、当初予定していた購入先から重窒素で標識された牛糞を購入することが出来なかったため、自ら作成する必要がある。23年度の雨季に重窒素で標識された化学肥料を休閑地に施用し、その場所で生育した休閑植生を牛に与えることで重窒素標識牛糞を作成する。その場合、23年度の雨季に各種肥培管理下(無施肥、牛糞施用、化学肥料施用)で土壌表面状態が土壌中の養水分動態に与える影響を評価することができない。そこで、23年度の雨季には気候変動下で土壌表面状態が土壌中の養水分動態に与える影響を評価する。サヘル地域では2030年まで降水量が増加し、2030年からは降水量が急激に減少すると予測されているため、雨量で3処理区(少雨区、通常区、多雨区)を設ける。なお、少雨区についてはライシメータの上部を覆うことで、また多雨区については人工降雨によって作成する。各種肥培管理下で土壌表面状態が土壌中の養水分動態に与える影響を評価するための試験については、23年度の乾季から実施するものとする。
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Trans.ASABE.
巻: 54(4)(印刷中)
Pedologist
巻: 53(3) ページ: 126-134
http://rafale.kais.kyoto-u.ac.jp/ikazaki/top.htm