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2011 年度 実績報告書

カンボジア王国における漁業技術の変化が及ぼす生産/流通体制への影響

研究課題

研究課題/領域番号 22880023
研究機関高知大学

研究代表者

堀 美菜  高知大学, 教育研究部・総合科学系, 助教 (60582476)

キーワード小規模漁業 / カンボジア / 東南アジア / 水産資源 / 水産物流通 / トンレサープ湖
研究概要

2011年、カンボジアの内水面漁業において大規模な漁業改革が行われた。資源保全を目的として、商業的な大規模漁業の漁業区画の利用を3年間中止する声明を首相が出したためである。国際機関の職員や水産局員をもってしても、テレビや新聞で突然知ることとなったため、行政官、漁業者、仲買業者の間に今までにない混乱が生まれた。そのため、研究実施計画においては、トンレサープ湖において、大規模・中規模・小規模漁業の漁具、漁法についての詳細を今年度調査する予定であったが、急遽の一部を変更し、漁業改革の前後で大規模漁業者と小規模漁業者の漁業、漁法にいかなる変化が起きたのか、流通にいかなる影響が及ぼされたかを現地で調べることとした。あわせて、漁業改革が一度に全て行われず、少しずつ行われたためその経緯を新聞など用いてまとめ、また水産局長から改革についての考えや今後の展望についてを聞き取ることとした。計画変更には、改革後時間がたってしまうと、大規模漁業者が水産業から手を引いてしまう可能性があり、連絡がつかなくなると従来の漁業についての聞き取りが不可能になるため、また、大規模漁業者と漁場を巡って競争関係、または雇われ関係にある小規模漁業者の漁業が、改革前と改革後でどのように変化したのか、この時期でなければ聞き取れない有意義な情報であると判断したためである。この結果、大規模漁業者の多くは、既に水産業から他産業に転換し始めている者がおり、漁業改革を静観している一方、既に入札により利用権利を取得していたため、その返還を求めている者もいた。小規模漁業者は従来の活動を続けており、漁具や漁法には変化が見られないものの、漁場利用において変化が見られた。流通に関しては、大規模漁業からのまとまった規格の水産物が入手出来なくなったことから、主にタイへ輸出する魚種の漁獲量がまばらで輸出に滞りが出始めていることが確認された。今後、国内外市場への供給及び魚価への影響を調べることが期待される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Data mining and stock assessment of fisheries resources in Tonle Sap Lake, Cambodia2011

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiro Enomoto, Satoshi Ishikawa, Mina Hori, Hort Sitha, Srun Lim Song, Nao Thuok and Hisashi Kurokura
    • 雑誌名

      Fisheries Science

      巻: 77(5) ページ: 713-722

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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