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2011 年度 実績報告書

深海生物が硫化水素を無毒化する機構は浅海生物にも存在するか?

研究課題

研究課題/領域番号 22880037
研究機関日本大学

研究代表者

小糸 智子  日本大学, 生物資源科学部, 助手 (10583148)

キーワードチオタウリン / タウリン輸送体 / 深海環境
研究概要

深海熱水噴出域や冷水湧出域では、生物に有毒な硫化水素が多量に存在するにも関わらず、豊かな生物群集が形成されている。これまで行なった研究により、チオタウリンやタウリンなどを細胞膜上で輸送するタウリン輸送体(TAUT)が硫化水素の無毒化に関与している可能性を明らかにしてきた。その一方、浅海の無脊椎動物ではTAUTが浸透圧調節に関与することが知られており、これら2つの機構を二枚:貝類が浅海から深海まで普遍的に有するかは明らかにされていない。本研究では、伊豆小笠原海域の明神海丘(熱水噴出域)に生息する二枚貝であるシチヨウシンカイヒバリガイを用い、硫化物に対するTAUT遺伝子の応答を調べるため、48時間までの短期曝露実験を行なった。試験区は硫化ナトリウム添加区Gmg/lOL、10mg/lOL)、チオ硫酸ナトリウム添加区(10mg!10L)、非添加区(コントロール)の4試験区とし、各試験区に8個体ずつ用いた。24時間後、48時間後に解剖ののち一80℃で保存した。また、硫化物は添加後に濃度が変化するため、8時間ごとに添加した。さらに、シチヨウシンカイヒバリガイは低浸透圧での短期飼育も行なった。100%海水(コントロール)、97.5%、95.5%、85.0%の試験区に分けて飼育し、24時間、48時間後に解剖ののち一80℃で保存した。これらの実験で解剖した鰭組織から、常法により全RNAを抽出し、リアルタイムPCRに供するために逆転写反応を行なった。また、シチヨウシンカイヒバリガイとムラサキイガイのTAUT遺伝子は高い相同性があり、TaqManプローブの配列は一致しているが、シンカイヒバリガイ類に汎用性のあるプライマー配列が異なっていたことから、ムラサキイガイのリアルタイムPCR用プライマーを新たに設計した。

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公開日: 2013-06-26  

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