下部尿路閉塞(BOO)による膀胱機能障害は、膀胱血流障害が一因である。抗血小板剤であるPDE3 阻害剤(PDE3i)が、BOOによる膀胱機能障害に有効か検討した。方法は12週齢雌SDラットにBOOモデルを作成し、PDE3iをlow/high dose群に分けて混餌にて投与した。4週間後、膀胱を摘出し、膀胱重量を測定後、経壁電気刺激および薬物刺激(Carbachol、KCl)による等尺性張力収縮実験を検討した。結果は、BOOで膀胱重量は有意に増加し、膀胱収縮能は有意に低下した。PDE3i投与によりdose dependentに膀胱収縮能は改善した。PDE3iの抗血小板作用や血管拡張作用が、BOOによる膀胱機能低下を抑制、改善することが示唆された。
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