ホモeNOS-/-糖尿病マウスを用いてeNOS欠損が糖尿病性腎症(diabetic nephropathy, DN)を悪化する原因となっていること、ヘテロeNOS+/-糖尿病マウスを用いてNOS3 276TT遺伝子型による程度のNOの減少がDN悪化に十分であることを示した。興味深いことにeNOS-/-糖尿病マウスのDNは糸球体へのフィブリンの沈着、腎臓での凝固第3因子の発現および活性、そして炎症のマーカーと強い相関を示していた。本研究からeNOS発現の減少したあるいはNO産生の減少した糖尿病患者では凝固第3因子がDN治療の新たなターゲットとなりうる可能性が示唆された。
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