研究概要 |
BOSHI研究では、平成23年2月28日現在、1346名の妊婦が研究に参加している。平成23年度は、平成22年3月31日までに出産した654人(平均年齢31.4歳)を研究対象者として主に解析を行った。妊娠前BMI及び妊娠中体重増加と妊娠高血圧症候群発症リスクは、妊娠高血圧症候群を発症した妊婦は9.2%であり、妊娠前BMIにより5群に分類し検討を行うと、肥満群において妊娠高血圧症候群の割合が高率であった(肥満I:20.3%,肥満II:18.2%)。家族歴情報のある569人において、高血圧家族歴あり群では高血圧なし群と比較すると、収縮期血圧、拡張期血圧ともに、母親のみ高血圧群の血圧レベルが有意に高値であり、出産週数、母親の糖尿病既往歴を補正に加えても同様の結果であった。また、妊娠高血圧症候群を発症していない518人において両親の高血圧有無と妊娠時家庭血圧との関連を検討したところ、妊娠期間中を通して、4群間の血圧レベルに有意差を認め、両親のどちらか一方が高血圧であると血圧は高くなった。母子手帳データのある268人で母親の妊娠時平均収縮期血圧と娘の妊娠時家庭血圧推移との関連を検討したところ、母親の妊娠時平均収縮期血圧が高値であると娘の妊娠時家庭血圧は高値となった。 非喫煙の一般地域女性で、受動喫煙群では非受動喫煙群に比して3.7mmHg高値であり、有意差を認めた。妊娠女性においても、妊娠20週において受動喫煙群では非喫煙群に比較して2.3mmHg高値であり、有意差を認めた。初経・出産・閉経などのイベントと高血圧との関連の検討においてこのような交絡要因正確な把握は重要と考えられた。
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