本研究の目的は、研究者が開発し信頼性・妥当性を確保している"妊娠期快適性尺度"(武石、2010)を用い、妊娠経過による快適性の推移、および胎動の有無による快適性の変化を明らかにすることである。平成22年度は研究協力施設の倫理審査委員会の承認を得、本調査に必要な質問紙の作成と現場の確保を行い、平成23年2月より本調査を実施した。質問紙の内容は母性看護領域の専門家と臨床助産師と話し合い、妊娠期快適性尺度と、胎動自覚の有無を含む基礎データとした。平成22年12月の第30回日本看護科学学会学術集会へ参加し、本研究で使用する妊娠期快適性尺度に関して専門家との意見交換を行った。これらにより信頼性の高い研究結果が得られる質問紙を作成することができた。 研究協力施設は承諾が得られた、年間分娩件数約900件で妊婦健康診査(以下、妊婦健診)を行っている病院とした。本研究は妊娠初期、妊娠中期、妊娠末期の3回調査を行う縦断研究である。IDをふり1人分3枚綴りにした無記名自記式質問紙を研究協力者のカルテに挟めておき、該当妊娠週数になったら配布する。研究協力者の選出、質問紙の配布は妊婦健診担当のスタッフに行ってもらうこととした。妊婦健診を行うスタッフが質問紙を配布することで対象者は安心感を得ることより、回収率を向上させることが考えられる。また質問紙をできるだけ妊婦健診の待ち時間に回答してもらうようにすること、郵送(受取人払い)でも回答できるようにすることで回収率の向上を図った。質問紙の配布開始2月から4月現在までに、のべ約50件の回答を得た。この中間成果報告を今後学会等で発表する予定である。
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