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2010 年度 実績報告書

皮膚悪性リンパ腫におけるケモカイン、ケモカインレセプターの関与の検討

研究課題

研究課題/領域番号 22890044
研究機関東京大学

研究代表者

宮垣 朝光  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50582003)

キーワード皮膚T細胞リンパ腫 / CCL20 / IL-17A / IL-22 / CCR6 / 皮膚原発未分化大細胞リンパ腫 / CCL11 / CCR3
研究概要

私はELISA法にて、皮膚T細胞リンパ腫(菌状息肉症、Sezary症候群)の患者の血清では、ケモカインの一つであるCCL20の濃度が上昇していることを発見した。また、表皮角化細胞からCCL20を誘導するサイトカインであるIL-17A、IL-22に関しても同様の検討を行ったところ、IL-22の濃度は上昇していたが、IL-17Aは検出できなかった。続いて、皮膚T細胞リンパ腫め病変部皮膚組織を用いて、CCL20、IL-17A、IL-22およびCCL20の受容体であるCCR6の発現を免疫組織化学染色で検討したところ、CCL20、IL-22、CCR6の発現は正常組織と比較して上昇していたが、IL-17Aは発現していないことが分かった。以上より、皮膚T細胞リンパ腫ではTh2細胞以外に、Th17細胞ではなく、Th22細胞が病態形成に関わっている可能性が示唆された。これにより、IL-22などに対する抗体療法が新たな治療の選択肢になりうると考えられた。今後は病変部皮膚組織より抽出したmRNAを用いて、上記のサイトカイン、ケモカイン、ケモカインレセプターおよび他の関連サイトカインの発現についても検討する予定である。
また、上記以外にケモカインの一つであるCCL11がその受容体CCR3を発現している細胞の生存、増殖に関与していることを、in vitroおよびマウスを用いたin vivoの実験で見出し、それにはERK1/2の経路が関与していることを発見した。これによりeotaxinやCCR3の抗体がCCR3を発現している腫瘍である皮膚原発未分化大細胞型リンパ腫の新たな治療の選択肢になることが考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] High Levels of Soluble ST2 and Low Levels of IL-33 in Sera of Patients with HIV Infection.2011

    • 著者名/発表者名
      宮垣朝光
    • 雑誌名

      Journal of Investigative Dermatology

      巻: 131 ページ: 794-796

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Eotaxin-CC Chemokine Receptor 3 Interactions Promote Survival of Anaplastic Large Cell Lymphoma Cells via ERK1/2 Activation.2011

    • 著者名/発表者名
      宮垣朝光
    • 雑誌名

      Cancer Research

      巻: 71 ページ: 2056-2065

    • 査読あり
  • [学会発表] Sezary症候群に進行した菌状息肉症の1例2010

    • 著者名/発表者名
      宮垣朝光
    • 学会等名
      第26回皮膚悪性腫瘍学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2010-06-05

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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