1) Tenomodulin(Tnmd)の歯周靱帯における発現の確認及び機能評価 (1) Tenomodulin発現解析 歯周靱帯における発現はヒトの歯の萌出様式に近いマウスの臼歯を用いて検討した。その結果、Tnmdの発現は生後2週間のマウス第1臼歯が萌出を開始する時期に発現が始まることが確認された。生後4週間までの経時的な観察により、Tnmdの発現が萌出時期に一過的な発現ではなく、継続して発現していることがわかった。しかし、歯の形態や形成、萌出の時期に関してノックアウトマウスと野生型マウスで差は認められなかった。 (2) Tenomodulin機能解析 マウスTnmd遺伝子をNIH3T3細胞にトランスフェクションし、共焦点レーザー顕微鏡で観察したところ、細胞形態の変化が認められた。細胞形態は細胞突起を長く伸張させた形態が観察された。この観察結果より、Tnmdが細胞接着などの細胞高次機能に関与する可能性が推察されたため、細胞接着試験を行ったところ導入した遺伝子量に比例して細胞接着率の増加が認められた。
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