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2011 年度 実績報告書

NASHにおけるマクロファージの病態生理的意義に関する検討-新規モデルを用いて

研究課題

研究課題/領域番号 22890052
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

伊藤 美智子  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 寄附研究部門教員 (00581860)

キーワード肥満 / マクロファージ / Crown-like structure
研究概要

昨年度までに申請者らは、メラノコルチン4型受容体欠損マウス(MC4R-KO)に対する20週間の高脂肪食負荷により、肥満に基づく脂肪肝から肝線維化・肝癌に至る全く新しいモデルを確立した。近年、メタボリックシンドロームの基盤病態として慢性炎症が注目されており、特にマクロファージの病態生理的意義が明らかになりつつある。本年度は、申請者らが独自に確立した新規NASHモデルを用いて、NASHの病態形成におけるマクロファージの病態生理的意義を検討した。
クロドロネート含有リポソームを用いて肝マクロファージを消去する系を立ち上げ、20週間の高脂肪食負荷後にリポソームを投与した。野生型マウスにおいてマクロファージを消去すると、通常食群・高脂肪食群いずれにおいてもマクロファージマーカーであるF4/80陽性細胞がほぼ消失し、F4/80の遺伝子発現も著明に減少した。また、高脂肪食群では通常食群に比して上昇した炎症・線維化マーカーの発現が低下した。一方、高脂肪食を負荷したMC4R-KOでは、野生型マウスと比較してマクロファージの消失効率が弱く、炎症・線維化マーカーの発現も抑制されなかった。肥満脂肪組織では、細胞死に陥った脂肪細胞をマクロファージが取り囲むCrown-like structure(CLS)が認められることが知られているが、NASHを発症したMC4R-KOの肝臓ではCLSに類似した構造が認められ、特にCLS様構造を形成するマクロファージがクロドロネートリポソームに抵抗性であった。
以上から、NASHの発症に伴ってマクロファージの分布に変化が認められ、さらに機能的な変化が起きている可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Melanocortin 4 receptor-deficient mice as a novel mouse model of nonalcoholic steatohepatitis2011

    • 著者名/発表者名
      Itoh M, Suganami T, Nakagawa N, Tanaka M, Yamamoto Y, Kamei Y, Terai S, Sakaida I, Ogawa Y
    • 雑誌名

      American Journal of Pathology

      巻: 179 ページ: 2454-2463

    • DOI

      10.1016/j.ajpath.2011.07.014

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Adipose tissue remodeling as homeostatic inflammation2011

    • 著者名/発表者名
      Itoh M, Suganami T, Hachiya R, Ogawa Y
    • 雑誌名

      International Journal of Inflammation

      巻: 2011 ページ: 720926

    • DOI

      10.4061/2011/720926

    • 査読あり
  • [学会発表] NASHの発症・進展と脂肪組織炎症-新しいNASHモデル・MC4R欠損マウスを用いて-2011

    • 著者名/発表者名
      伊藤美智子、菅波孝祥、田中都、亀井康富、小川佳宏
    • 学会等名
      第32回日本肥満学会
    • 発表場所
      淡路島
    • 年月日
      20110923-24
  • [学会発表] MC4R欠損マウスを用いた新規NASHモデルの確立2011

    • 著者名/発表者名
      伊藤美智子、菅波孝祥、中川信貴、田中都、亀井康富、小川佳宏
    • 学会等名
      第84回日本内分泌学会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20110421-23
  • [備考]

    • URL

      http://www.tmd.ac.jp/mri/prm/index.html

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公開日: 2013-06-26  

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