本研究は療養病床における向精神薬の服用の実態とその関連要因をアンケート調査より明らかにした。全国の療養病床のある1435病院より無作為抽出し、回答のあった426件のうち324件を分析対象とした。一病棟の入院患者数に対する向精神薬服用者数の割合の平均は、定型抗精神病薬2.7%、非定型抗精神病薬3.8%、睡眠薬13.1%、抗不安薬6.9%、抗うつ薬2.0%、漢方薬1.3%であった。医療療養型病棟と介護療養型病棟における各種向精神薬の服用者率には有意な差は認められなかった。向精神薬の服用には患者やケア提供者の特性とともにケア提供者の抑制具の使用に対する考えも影響している可能性が示唆された。
|