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2010 年度 実績報告書

トリプトファン水酸化酵素2遺伝子が統合失調症の発症脆弱性に果たす役割

研究課題

研究課題/領域番号 22890065
研究機関新潟大学

研究代表者

布川 綾子  新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (90584607)

キーワード遺伝子 / 統合失調症 / トリプトファン水酸化酵素
研究概要

統合失調症のリスク遺伝子である可能性が示唆されているトリプトファン水酸化酵素2(tryptophan hydroxylase 2.TPH2)遺伝子が、統合失調症の発症脆弱性に果たす役割について明らかにすることを目的として、包括的な遺伝解析を遂行中である。
本年度は、リシークエンスにより検索された変異との関連についてスクリーニングを実施した。
まず、統合失調症と同様にTPH2遺伝子が有力な候補遺伝子と考えられている自閉症スペクトラム障害の患者150人についてTPH2遺伝子の全11エクソン領域をリシークエンスし、変異を検索した。その結果、rs78162420(S41Y)とこれまでに報告されていないミスセンス変異が同定された。この2つの変異に対し、統合失調症患者626人、対照者620人を対象とした遺伝子型判定を行った。rs78162420では統合失調症との有意な関連を認めなかった。一方、新規ミスセンス変異は患者ではヘテロが2に対し、対照者では0であった。有意な関連は認められなかったが、頻度がまれであり擬陰性の可能性も否定できない。これを確認するために、現在大規模サンプルでの関連解析を実施する準備を進めている。この結果の一部は、第32回日本生物学的精神医学会において発表済みである。
また、TPH2遺伝子には頻度の高い(common)コピー数多型(copy number variation, CNV)が存在することが報告されており、今後はこのCNVについてTaqManプローブを用いたリアルタイムPCR法によりコピー数を判定する予定である。
本研究により、統合失調症の発症機序解明の端緒が得られれば、最終的には画期的な診断・治療法の開発に結びつく可能性がある。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] The dopamine D3 receptor(DRD3)gene and risk of schizophrenia : Case-control studies and an updated meta-analysis.2010

    • 著者名/発表者名
      布川綾子
    • 雑誌名

      Schizophrenia Research

      巻: VOL.116 ページ: 61-67

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Acase-control association analysis of CABINI with schizophrenia in a Japanese population.2010

    • 著者名/発表者名
      渡部雄一郎
    • 雑誌名

      Journal of Human Genetics

      巻: VOL.55 ページ: 179-181

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Failure to find an association between myosin heavy chain 9, non-muscle(MYH9)and schizophrenia:Athree-stage case-control association study.2010

    • 著者名/発表者名
      天金秀樹
    • 雑誌名

      Schizophrenia Research

      巻: VOL.118 ページ: 106-112

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Acase-control study and meta-analysis of association between acommon copy number variation of the glutathione S-transferase mu 1(GSTM 1)gene and schizophrenia(letter).2010

    • 著者名/発表者名
      渡部雄一郎
    • 雑誌名

      Schizophrenia Research

      巻: VOL.124 ページ: 236-237

    • 査読あり
  • [学会発表] 抗精神病薬治療下主観的ウェルビーイング評価尺度短縮版日本語版の心理測定学的特性に関する予備的研究2010

    • 著者名/発表者名
      布川綾子
    • 学会等名
      第30回日本精神科診断学会
    • 発表場所
      九州大学医学部百年講堂(福岡県福岡市)
    • 年月日
      2010-11-12
  • [学会発表] ドパミンD3受容体遺伝子と統合失調症のリスク2010

    • 著者名/発表者名
      布川綾子
    • 学会等名
      第32回日本生物学的精神医学会
    • 発表場所
      リーガロイヤルホテル小倉 (福岡県北九州市)
    • 年月日
      2010-10-09
  • [学会発表] 統合失調症多発罹患家系における全ゲノムコピー数多型検索2010

    • 著者名/発表者名
      金子尚史
    • 学会等名
      第32回日本生物学的精神医学会
    • 発表場所
      リーガロイヤルホテル小倉(福岡県北九州市
    • 年月日
      2010-10-09
  • [学会発表] ミオシン重鎖9遺伝子は統合失調症と関連しない2010

    • 著者名/発表者名
      渡部雄一郎
    • 学会等名
      第32回日本生物学的精神医学会
    • 発表場所
      リーガロイヤルホテル小倉(福岡県北九州市)
    • 年月日
      2010-10-09
  • [学会発表] トリプトファン水酸化酵素2(TPH2)遺伝子と広汎性発達障害との関連解析2010

    • 著者名/発表者名
      江川純
    • 学会等名
      第32回日本生物学的精神医学会
    • 発表場所
      リーガロイヤルホテル小倉(福岡県北九州市)
    • 年月日
      2010-10-09

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公開日: 2012-07-19  

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