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2010 年度 実績報告書

ヘリコバクター・ピロリ菌感染を契機とした胃発癌分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22890089
研究機関京都大学

研究代表者

松本 裕子  京都大学, 医学研究科, 助教 (20452360)

キーワード胃癌 / ヘリコバクター・ピロリ / AID / 遺伝子変異 / 染色体異常
研究概要

1. ゲノムアナライザーを用いた、AID発現により胃上皮にもたらされる遺伝子異常の全体像の探求;AIDを過剰発現する胃上皮細胞において、既知のすべての遺伝子DNAの塩基配列と染色体異常について解析を行い、胃上皮におけるAIDの持続発現の結果生じる遺伝子異常生成・蓄積の全体像を明らかにする。
薬剤誘導により活性化AIDを過剰発現する胃上皮培養細胞株を樹立、またAID Tgマウスの胃組織から胃上皮細胞の初代培養を樹立し、AID過剰発現下の胃上皮細胞における体細胞変異の全体像をゲノムアナライザーを用いて検討する。また、野生型マウスにHP菌を経口感染させることにより、胃上皮細胞に内在性AIDが発現誘導され、遺伝子変異生成に寄与しうるかどうかの検討を行う。
AID過剰発現下の胃上皮培養細胞およびAID Tgマウスの胃から経時的にDNAを抽出する。遺伝子変異の解析については、次世代ゲノムアナライザーを用いることにより、体細胞変異を網羅的に解析することが可能となる。野生型マウスにHP菌を経口感染させる。感染後、経時的に胃上皮から核酸を抽出し、内在性AID転写産物の発現を定量評価すると同時に、全癌関連遺伝子の変異生成の有無をゲノムアナライザーを用いて網羅的に検討したところ、癌関連遺伝子に変異を認めた。一方、AID KOマウスにHP株を感染させても遺伝子変異を認めなかった。すなわち、HP菌感染した胃上皮細胞における遺伝子変異生成が、AID依存性に引き起こされることが示唆された。
2. 胃発癌過程におけるAIDの役割についての胃癌モデルマウスを用いた検討;さまざまな胃癌モデルマウスとAID KOマウスをかけあわせ、胃癌発生の頻度について検討し、胃発癌過程におけるAIDの重要性を明らかにすることを目的とする。現在、マウスの準備中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Up-regulation of Activation-Induced Cytidine Deaminase Causes Genetic Aberrations at the CDKN2b-CDKN2a in Gastric Cancer.2010

    • 著者名/発表者名
      Yuko Matsumoto, Hiroyuki Marusawa, Kazuo Kinoshita, Yoko Niwa, Yoshiharu Sakai and Tsutomu Chiba.
    • 雑誌名

      Gastroenterology

      巻: 139(6) ページ: 1984-1994

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Nucleotide-binding Oligomerization Domain 1 Contributes to Host Defense against Helicobacter pylori via Induction of Type I IFN and Activation of the IFN-stimulated Gene Factor 3 Signaling Pathway.2010

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Watanabe, Yuko Matsumoto, et al.
    • 雑誌名

      J Clin Invest

      巻: 120(5) ページ: 1645-1662

    • 査読あり
  • [学会発表] 胃発癌過程におけるactivation-induced cytidine deaminaseを介した癌抑制遺伝子領域の変異生成の分子機構2010

    • 著者名/発表者名
      松本裕子、丸澤宏之Hiroyuki Marusawa, Tomonori Matsumoto, 千葉勉
    • 学会等名
      日本ヘリコバクター学会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2010-06-24

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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