皮膚における免疫応答の多様性を決定する因子については未だ不明な点が多く、特に外的刺激に対する免役応答に関与する分子の同定とその役割の解明を当研究の目的とした。 申請者らは、定常状態、tape stripなどの比較的弱い刺激、蛍光標識ハプテン塗布時の経時的な皮膚樹状細胞の動態をLangerin-eGFPマウスを用いて観察し、in vivoリアルタイムイメージング法を確立した。またTh1・Th2型に分化培養したT細胞を静脈内に投与することで皮膚免疫細胞の動態評価を可能にし、皮膚における細胞遊走を可視化し検討することに成功した。(Egawa et al JID 2011 Apr)。更に、細胞骨格制御分子Rhoファミリーの1つであるmDia1が、皮膚樹状細胞の貪食、遊走、接着、免疫シナプスの形成に必須の役割を果たすことを示し、さらに、本システムを障害させると接触皮膚炎反応の形成が成立しないことを見出し、報告した(tanizaki et al Blood 2010 Dec)。
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