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2011 年度 実績報告書

難治性神経障害に対する新規治療ターゲットに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22890107
研究機関大阪大学

研究代表者

岡田 潔  大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (40576279)

キーワード脊髄損傷 / 末梢神経 / 再生
研究概要

脊髄損傷や、高位末梢神経損傷などによって引き起こされる難治性神経障害は、患者のADL、QOLを著しく損なう障害であり、これらの疾患、外傷によって多彩な神経障害を抱える患者は全国で10万人以上と言われる。しかし、未だに効果的な治療薬は存在しておらず、この理由として、近年目覚ましく発展を遂げている神経基礎科学によっても、未だ神経再生の鍵となるシグナルが明らかになっていないことが挙げられる。本研究の目的は、この問題解決の糸口の一つとして、蛋白のメチル化酵素の一つであるIsoprenylcysteine carboxylmethyl transferase (Icmt)の神経系への作用に注目し、その機能解明と難治性神経障害の治療薬への応用を検討することにある。すでに、脊髄小脳変性症にてIcmtが低下することが報告されているが、Icmtが神経細胞にどのような影響を及ぼすのかは未だ判明していない。本年度は、昨年度に引き続き、Icmtの機能の抑制が神経細胞にどのような影響を与えるかを調査を行った。ラットの小脳穎粒細胞の初代培養系の確立を行い、また、Icmtの下流に存在すると予想されるmTORの働きを明確化するために、LY294002、Akt inhibitor、rapamycinなどの前後のシグナルのインヒビターを初代培養中に加え、ウエスタンブロッティング法によって同定したところ、Akt、mTOR、p70S6Kなどのプロテインキナーゼの活性が上昇していることが判明した。また、これらのシグナルの影響が軸索進展や神経細胞死の抑制につながる可能性を示すデータが得られた。以上の結果から、Icmtの機能が、神経軸索伸展や細胞死の抑制に影響を与える可能性があることが判明し、Icmtの機能解明が難治性神経障害の病態解明と治療につながる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] p70 ribosomal S6 protein kinaseの活性化とmethylcobalamin作用機序の関係2011

    • 著者名/発表者名
      岡田潔, 他
    • 雑誌名

      末梢神経

      巻: 22(2) ページ: 309-310

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Akt/mTOR signaling pathway regulates neurite outgrowth in cerebellar granule neurons affected by methylcobalamin2011

    • 著者名/発表者名
      Kiyoshi Okada, et al
    • 雑誌名

      Neuroscience Letters

      巻: 495 ページ: 201-204

    • DOI

      PMID:21458538

    • 査読あり
  • [学会発表] 神経再生におけるp70 ribosamal S6 protein kinaseとmethylcobalaminの関係2011

    • 著者名/発表者名
      岡田潔, 他
    • 学会等名
      日本運動器移植・再生医学研究会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2011-09-25
  • [学会発表] p70 ribosomal S6 protein kinaseの活性化とmethylcobalamin作用機序の関係2011

    • 著者名/発表者名
      岡田潔, 他
    • 学会等名
      日本末梢神経学会
    • 発表場所
      沖縄
    • 年月日
      2011-09-03
  • [学会発表] 特発性足根管症候群に対するT2mapping法による評価の試み2011

    • 著者名/発表者名
      岡田潔, 他
    • 学会等名
      日本整形外科学会
    • 発表場所
      (Web開催)
    • 年月日
      2011-05-15
  • [備考]

    • URL

      http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/ort/www/research8-4.html

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公開日: 2013-06-26  

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