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2011 年度 実績報告書

縫線核による中枢神経内呼吸恒常性維持機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22890109
研究機関大阪大学

研究代表者

原田 丈司  大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (00403030)

キーワード低酸素センサー / 呼吸活動 / 縫線核 / セロトナージックニューロン / パッチクランプ
研究概要

本研究は、低酸素環境に対する呼吸運動の応答を制御する中枢神経機構を明らかにするために、縫線核セロトナージックニューロンについて、低酸素刺激に対する変化を検証した。
まず、縫線核ニューロンの部位による低酸素刺激に対する反応性の違いを明らかとし、その亜部位を低酸素刺激した際の呼吸活動の変化を検証した。また、低酸素刺激に反応して活動性を上昇させる、縫線核セロトナージックニューロンの解剖学的位置および軸索投射経路を明らかとすることを目的とした。
縫線核の外側亜核に、低酸素刺激により脱分極し、自発的な活動が活性化するニューロンが見出された。それに対し、縫線核の正中亜核には、低酸素刺激によって脱分極するが、自発的な活動が消失するニューロンが確認され、部位による低酸素刺激に対する縫線核ニューロンの反応性の違いが明らかとなった。それらは、テトロドトキシン(TTX,1μM)およびカドミウム(Cd,10μM)を加えた検証から、縫線核ニューロンの神経細胞膜特性による変化であると考えられた。また、人工的な低酸素刺激となるNaCN(1mM)を加えると、外側亜核では自発的かつ周期的な呼吸活動が活性化されたが、正中亜核では呼吸活動の周期に変化は認められず、活動振幅の減少が認められた。さらに、ペースメーカー活動を示さない呼吸ニューロンが、自発的にリズム性バースト活動を示すペースメーカー細胞へと表現型を変化させることが見出された。そして、抗TPOH抗体やバイオサイチンを用いた検証から、縫線核から呼吸中枢領域へ投射するセロトナージックニューロンが確認された。
以上より、縫線核セロトナージックニューロンが低酸素刺激に対して呼吸活動を賦活化させ、さらに、軸索末端シナプスからのセロトニンの分泌によって、呼吸中枢神経細胞の膜特性を変化させ、呼吸ペースメーカー細胞の数を制御していることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 口唇裂・口蓋裂に伴う上顎骨劣成長に対する上顎骨前方部骨延長術(MASDO)の検討2011

    • 著者名/発表者名
      原田丈司、相川友直、石濱孝二、樋口将隆、牛村彩子、田中晋、石橋美樹、永谷俊介、奥野恵実、山本奈穂、木田久美子、田中輝、程壮樹、飯田征二、古郷幹彦
    • 学会等名
      第21回日本顎変形症学会総会
    • 発表場所
      学術総合センター(東京)
    • 年月日
      2011-06-17
  • [学会発表] 口腔癌N0頸部の治療方針に関する決定樹解析と治療閾値2011

    • 著者名/発表者名
      田中徳昭、沢井奈津子、原田丈司、大倉正也、古郷幹彦
    • 学会等名
      第35回日本頭頸部癌学会
    • 発表場所
      ウインクあいち(東京)
    • 年月日
      2011-06-10

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公開日: 2013-06-26  

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