研究課題
内視鏡外科手術で未だに解決できていないミラーイメージ(カメラが術者の反対側から映している場合、自分の描いたイメージと全く逆の動きをする状態)や死角の存在を解決するために、術視野全体を俯瞰するための小型カメラユニットを体内に設置し、内視鏡手術の状況をマルチカメラでモニタリングするシステムを開発することを目的としている。観察を行うために小型カメラと針を組み合わせたものを開発し、昨年度課題であった画質にもカメラの撮像素子をCMOSからCCIQに変更することで、画素数が510x492⇒656x492と向上した。その成果を定量するために、内視鏡外科手術のパフォーマンスをHiroshima University Endoscopic Surgical Assessment Device (HUESAD)という独自で開発した評価システムを用いて行った。まずex vivoでミラーイメージの解消の検証を行った。ミラーイメージポジションで悪かった成績を、設置したカメラユニットから得られた画像を見ながらタスクを行うことでCo-axial positionと同等の良好な成績が得られた。ここまでの成果をすでに論文化して投稿中である(英文雑誌)。これまでは永遠の課題と考えられていたミラーイメージと死角の存在を解消することができれば、手術の難易度を下げ、安全な手術を行うことができるようになる。これまでこのような取り組みは成果が得られておらず、ex vivoではミラーイメージの解消が可能であることを証明できた。内視鏡外科手術界では革命的なプロジェクトであり、開発の意義や重要性は非常に高いと考えている。
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Scand J Surg
巻: (in press)
Minim Invasive Ther Allied Technol
巻: 11(Epub ahead of print)
消化器外科学レビュー
ページ: 172-174
