電位依存性カリウムチャネルサブユニットであるKv1. 3とKv 1. 5は、マウスの腹側海馬・背側海馬で発現が見られない。一方で、Kv 1. 3とKv 1. 5は神経傷害後の活性化ミクログリアに発現していた。ミクログリアにおけるKv1. 3とKv 1. 5の発現時期は、障害性ミクログリアのマーカーであるリン酸化p38マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(p-p38 MAPK)の発現時期と一致していた。抗生物質であるミノサイクリンの投与は、ミクログリアにおけるKv 1. 3とKv 1. 5、 p-p38 mPKの発現レベルを低下させるとともに、傷害に伴って生じる神経細胞死を抑制した。本研究の結果は、ミクログリアにおけるカリウムチャネルの重要性を提示し、Kv 1. 3およびKv1. 5の阻害薬が神経保護薬として作用する可能性を示唆している。
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