• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

関節不動による関節軟骨の退行性変化と運動療法の効果に関する実験的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 22890139
研究機関長崎大学

研究代表者

坂本 淳哉  長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20584080)

キーワード関節不動 / 関節軟骨 / 持続的他動運動 / 軟骨基質 / MMP / TIMP
研究概要

足関節不動化モデルラットを用い,関節不動による軟骨基質の変化と持続的他動運動(以下,CPM)の影響について検討した.ラットを対照群と実験群に分け,実験群は4週間ギプスにて両側足関節を不動化する不動群と,同様の方法で不動化する過程においてCPMを施すCPM群に振り分けた.CPMは角速度10゜/秒の足関節底背屈運動であり,麻酔下で両側後肢のギプスを解除した後に30分間(週6回)行った.実験終了後は両側足関節を採取し,パラフィン包埋切片を作製した.そして,プロテオグリカン(以下,PG)の動態についてはトルイジンブルー染色を,また,タイプIIコラーゲンの動態については免疫組織化学的染色を施し評価した.さらに,軟骨基質分解酵素であるMMP-3,9,13とそれらを抑制するTIMP-2の軟骨細胞における動態については免疫組織化学的染色を施し評価した.その結果,トルイジンブルー染色において不動群の軟骨基質の染色性は対照群のそれと比べ有意に低下していた.また,不動群のMMP-3,9,13陽性細胞率は対照群のそれと比べ有意に高値を示し,TMP-2陽性細胞率は対照群のそれと比べ有意に低値を示した.一方,CPM群ではこれらの変化は認められず対照群と大差なかった.また,タイプIIコラーゲンの染色性は3群間で差を認めなかった.これらのことから,関節不動は軟骨基質のPGの減少を惹起し,この変化にはMMP-3,9,13の発現増加とTIMP-2の発現低下が関与している可能性が示唆された.また,不動の過程でCPMを実施するとPGの減少を抑制できる可能性も示唆された

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (4件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] セラピューティック・ストレッチングによる組織変化-骨格筋の変化に由来した拘縮の病態に対して-2010

    • 著者名/発表者名
      近藤康隆, 坂本淳哉, 片岡英樹, 沖田実
    • 雑誌名

      理学療法

      巻: 27 ページ: 973-982

  • [雑誌論文] 痛みと拘縮-骨格筋の変化からみた拘縮の病態-.痛みと拘縮-骨格筋の変化からみた拘縮の病態-2010

    • 著者名/発表者名
      沖田実, 中野治郎, 坂本淳哉, 横山真吾, 近藤康隆, 本田祐一郎, 濱上陽平
    • 雑誌名

      日本運動器疼痛研究会誌

      巻: 2 ページ: 31-38

  • [学会発表] 不動に伴うラット関節軟骨基質の変化, ならびに持続的他動運動の影響2010

    • 著者名/発表者名
      坂本淳哉, 中野治郎, 片岡英樹, 折口智樹, 吉村俊朗, 沖田実
    • 学会等名
      第42回日本結合組織学会学術大会・第57回マトリックス研究会大会合同学術集会
    • 発表場所
      拠点センターアルヴェ(秋田市)
    • 年月日
      20100819-20100820
  • [学会発表] 不動期間の延長に伴うラットヒラメ筋の筋内膜におけるタイプI・IIIコラーゲンの変化2010

    • 著者名/発表者名
      本田祐一郎、近藤康隆、横山真吾、濱上陽平、片岡英樹、坂本淳哉、中野治郎、沖田実
    • 学会等名
      第42回日本結合組織学会学術大会・第57回マトリックス研究会大会合同学術集会
    • 発表場所
      拠点センターアルヴェ(秋田市)
    • 年月日
      20100819-20
  • [学会発表] 不動期間の延長に伴うラットヒラメ筋の筋内膜におけるタイプI・IIIコラーゲンの変化2010

    • 著者名/発表者名
      本田祐一郎, 近藤康隆, 横山真吾, 濱上陽平, 片岡英樹, 坂本淳哉, 中野治郎, 沖田実
    • 学会等名
      第45回日本理学療法学術大会
    • 発表場所
      長良川国際会議場(岐阜市)
    • 年月日
      20100527-20100529
  • [学会発表] 関節不動によるラットヒラメ筋のコラーゲンタイプの変化が足関節可動域に与える影響2010

    • 著者名/発表者名
      横山真吾, 本田祐一郎, 近藤康隆, 片岡英樹, 坂本淳哉, 中野治郎, 沖田実, 吉村俊朗
    • 学会等名
      第45回日本理学療法学術大会
    • 発表場所
      長良川国際会議場(岐阜市)
    • 年月日
      20100527-20100529
  • [図書] 機能障害科学入門 1章 炎症2010

    • 著者名/発表者名
      坂本淳哉
    • 総ページ数
      20
    • 出版者
      神陵文庫
  • [図書] 機能障害科学入門 5章 靱帯損傷2010

    • 著者名/発表者名
      坂本淳哉
    • 総ページ数
      10
    • 出版者
      神陵文庫

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi