神経障害性疼痛モデル(SNL;Spinal Nerve Ligation model)におけるリコモジュリンの痛覚過敏抑制効果とその細胞内シグナリングについて調査を行った。 SNLモデルラットを作成し、より低濃度のリコモジュリン0.0025(ug/kg)を一次知覚神経周囲に投与した。行動解析法により熱刺激に対する痛覚閾値と機械刺激に対する痛覚閾値を測定した。その結果、リコモジュリンの痛覚過敏抑制効果は0.0025(ug/kg)では無く、その効果は0.025(ug/kg)から認められ用量依存性に増強することがわかった。 次にSNLモデルラットの一次知覚神経におけるHMGB-1タンパク質量の経時的変化を調査するため、ELISA法によりHMGB-1タンパク質量を経時的に測定した。L4一次知覚神経ではHMGB-1タンパク質量はSNLモデル作成後1日目で増加し、その後次第に減少した。一方、L5一次知覚神経ではSNLモデル作成後3日目まで増加し、その後次第に減少した。これらの結果を踏まえ、リコモジュリン投与におけるHMGB-1タンパク質量測定を行う予定である。
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