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2011 年度 実績報告書

歯髄再生を目指したBMP2とFGF2による象牙芽細胞分化・機能発現誘導法の検討

研究課題

研究課題/領域番号 22890167
研究機関九州歯科大学

研究代表者

鷲尾 絢子  九州歯科大学, 歯学部, 助教 (10582786)

キーワード象牙質・歯髄複合体 / 再生医療
研究概要

本研究の最終目標である歯髄創傷治癒メカニズムの解明と象牙質・歯髄複合体再生療法の確立の達成に向け、骨形成促進因子(Bone Morphogenetic Protein-2,BMP-2)あるいは線維芽細胞増殖因子(Fibroblast Growth Factor-2,FGF-2)を徐放するゼラチン・スポンジを用い、3次元的環境下における象牙芽細胞分化と象牙質形成メカニズムを明らかにするために、in vitroでのBMP-2解析結果をまとめた。さらに、KN-3細胞におけるFGF-2の影響を検討した。FGF-2の存在下・非存在下でKN-3細胞を培養後、形態変化を位相差顕微鏡で観察したところ、FGF-2によりKN-3細胞の突起の伸長が認めら、神経細胞様を呈していた。しかし、ウエスタンブロッティング法での解析では神経細胞分化マーカーNF68の発現は認められなかった。そこで、象牙芽細胞の分化マーカーであるDSP、DMP-1の発現を解析したところ、発現上昇が誘導された。次に、FGFシグナル伝達に関与するAkt、ERK、p38のリン酸化の発現をウエスタンブロッティング法で解析した。その結果、ERKのリン酸化の発現上昇がFGF-2濃度5ng/mlの30分間刺激で誘導された。さらに、ERKのリン酸化阻害剤U0126と5ng/ml FGF-2を共に刺激したところ、KN-3細胞のFGF-2による細胞突起伸長は抑制された。以上の結果は、FGF-2誘導性ERKシグナル伝達経路の活性化が象牙芽細胞様細胞株(KN-3細胞)の細胞突起伸長および分化に影響を与えることを示唆している。
今後、象牙芽細胞の分化メカニズムをさらに解析するとともに、in vivoでの研究も行っていく予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Possible involvement of Smad signaling pathways in induction of odontoblastic properties in KN-3 cells by bone morphogen etic protein-2, a growth factor to induce dentin regeneration2012

    • 著者名/発表者名
      鷲尾絢子
    • 雑誌名

      International Journal of Dentistry

      巻: VOL.2012

    • DOI

      10.1155/2012/258469

    • 査読あり
  • [学会発表] 象牙芽細胞分化に及ぼすFGF-2の影響2011

    • 著者名/発表者名
      鷲尾絢子
    • 学会等名
      第32回日本歯内療法学会学術大会
    • 年月日
      20110730-31
  • [学会発表] FGF-2が象牙芽細胞様細胞に及ぼす影響2011

    • 著者名/発表者名
      鷲尾絢子
    • 学会等名
      第134回日本歯科保存学会
    • 年月日
      20110609-10
  • [学会発表] 象牙芽細胞様細胞の分化におけるFGF-2の影響2011

    • 著者名/発表者名
      鷲尾絢子
    • 学会等名
      第71回九州歯科学会総会
    • 年月日
      20110528-29
  • [学会発表] FGF-2は象牙芽細胞様細胞の形態変化を誘導する2011

    • 著者名/発表者名
      鷲尾絢子
    • 学会等名
      第9回日本再生歯科医学学術大会・総会
    • 年月日
      2011-09-10

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公開日: 2013-06-26  

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