本研究では、「咀嚼刺激や咬合不全の誘発によって脳内でのManganese Enhanced MRI(MEMRI)信号が検出できるかどうか」との仮説のもとに、ラットにおける咀嚼刺激や抜歯による咬合不全の誘発によってマンガンイオンが脳内に入るか否かをMEMRIにて検討し、仮説を立証することを目標とした。塩化マンガン投与後における脳内分布の経時的変化をみた結果、マンガンイオンは投与後1時間で側脳室や海馬において信号強度が得られ、投与後6時間まで信号強度は顕著に見られた。しかし、咀嚼によるMEMRI信号の検出のために、マンガン投与直後より飼育飼料を与えたが、マンガン毒性による副作用によりほとんど飼料摂取が行えないことや、自発行動が低下することから、自発的な咀嚼行為を行うことができず、MEMRI信号の検出を行うことができなかった。
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