研究概要 |
本年度の研究では指示に従えない嚥下害患者を対象として、要介護高齢者など全ての嚥下障害患者に適用しうる頸部聴診法の普遍的判定基準を確立することを目標に、経鼻的に挿入した軟性内視鏡を用いて行う嚥下内視鏡検査における試料嚥下時に産生される嚥下音と嚥下前後の呼吸音を記録するシステムの構築に努めた。まず音響検出システムとして新生児用の聴診器(502-004-24 MMI-608GR)の接触子にマイクロフォン(Sanken Cos-11DBPC)を連結させ、嚥下時産生音検出器を作製した。嚥下時産生音の記録の対象は嚥下内視鏡検査を行う必要のある指示に従えない嚥下障害患者とし、Takahashiの方法(Takahashi K, Groher ME, et al : Methodology for Detecting Swallowing Sounds.Dysphagia9:54-62,1994 Takahashi K, Groher ME, et al : Symmetry and Reproducibility of Swallowing Sounds.Dysphagia9:168-173,1994)に従って、被検者の輪状軟骨直下気管外側皮膚上に作製した嚥下時産生音検出器を両面接着テープで固定し、試料嚥下時に産生される嚥下音と嚥下前後の呼吸音を検出した。検出した音響信号はアンプ(Audiotechnica Amplifier)にて音を増幅させた上で、鼻咽腔ファイバースコープ(オリンパスENF-P4)を用いて撮像した嚥下および呼気時の画像とともにDVレコーダ(Sony GV-HD700現有)に同時記録した。
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