研究課題/領域番号 |
22890189
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研究機関 | 聖路加看護大学 |
研究代表者 |
倉岡 有美子 聖路加看護大学, 看護学部, 助教 (30584429)
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キーワード | 胃瘻 / 経管栄養 / 意思決定支援 |
研究概要 |
昨年度作成した胃瘻造設を検討する患者の家族のための意思決定支援ガイドライン「ご本人に代わって意思決定を行う方のための小冊子-高齢者が栄養チューブをつけて長期的に使うこと-」を、臨床医2名の意見をもとに改訂し製本した。今年5月に聖路加看護大学研究倫理審査委員会に申請し、本研究の研究計画が承認された。その後、調査を予定している関東近辺の2病院の倫理委員会にて承認された。 改訂版のガイドラインを用いて、臨床医3名に臨床現場で活用するにあたり、改善した方がよい点についてインタビュー調査を実施した。その結果「ガイドラインを使用することで、自分が家族に説明するべき内容を漏れなく伝えることができる点はよい。一方、ボリュームが多いので、家族には事前に読んでいただいたうえで(医師からの)胃瘻に関する説明を聞いてもらう、または医療者が家族と一緒に読むという方法が望ましい」と意見があった。 さらに、胃瘻造設を検討する患者の家族1組に対して、改訂版のガイドラインを用いて意思決定支援を行った。その結果「ガイドラインをしっかり読まないと内容を理解することが難しいが、知らないことが少し分かり、疑問点を整理できた」と意見があった。また、意思決定後の「患者にとって何が重要かを考えて、決定をくだした」「自分がくだした決定を変えることはないと思う」という質問に対して「そう思う」を回答していた。 以上の結果から、改訂版のガイドラインは、患者の家族の意思決定を支援するうえで有効となりうるが、医師や患者の家族から指摘された点を改善していく必要がある。 本年9月までに意思決定の支援をできた患者の家族は1組のみであったので、今後、在宅医等にも協力を求め、研究協力者(患者の家族)を増やしていき、ガイドラインを完成させていきたいと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年9月までに、胃瘻造設を検討する患者・家族の意思決定を支援している医師を対象としたインタビュー調査を実施し、「患者・家族の意思決定支援ガイドライン」の修正と精錬を行う計画であり、これは達成することができた。加えて、胃瘻造設を検討する患者の家族の意思決定支援ガイドラインを使用した患者の家族1組にインタビュー調査を行うことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、「胃瘻造設を検討する患者の家族の意思決定支援ガイドライン」を使用した患者の家族へのインタビュー調査を継続して行い、意思決定支援ガイドラインを完成させる。患者の家族へのインタビュー調査は、30組を予定しているが、現在まで1組のみにしか行えていない。そのため、対象病院を現在の2病院から広げ、研究協力者(患者の家族)のリクルートに努力していきたいと考える。
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