1.看護/助産学分野におけるRCTと系統的レビュー方法論の教育と普及に関する研究 系統的レビュー及び系統的レビューの基本情報を提供するRCTの方法論とその実践の導入が遅れている、本邦での看護ケア関連研究の現状改善に適した教育用教材を開発し、研究者が所属する看護系大学の大学院生を対象としたRCT及び系統的レビュー方法論に関する教育を実践した。また、同大学院生を対象とした修士論文および博士論文における研究相談をのべ33人で行う中で、RCTと系統的レビューの方法論の理解と普及をはかった。 2.コクラン・システマティック・レビュー(CSR)の実践 研究者らは、CSR方法論についてより具体的に学ぶため、2011年8月の10日間、コクラン共同計画中の52レビュー・グループのうちの1つである妊娠・出産グループの本部(英国リバプール)でトレイニングを受けた。また、2011年10月コクラン・コロキアム(マドリッド開催)に参加し、CSRの実施に関連する情報収集を行うとともに、妊娠・出産グループのミーティングにも参加し、プロトコル作成状況の報告を行った。その後、CSRの実施のためのプロトコル(標題:Prophylactic interventions after delivery of placenta for reducing bleeding during the postnatal period)を完成させ、コクラン・ライブラリにて出版した。現在、本レビューの作業中であり、平成24年度中に完成の予定である。また、看護分野での日本におけるコクラン共同計画活動の普及を目指し、「聖路加コクラン塾」の設立準備を開始した。この活動を通して、CSRおよびRCT方法論を広く看護分野の研究者に紹介するとともに、CSR作成の看護分野における実践者を育成していく予定である。
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