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2010 年度 実績報告書

転移がんの克服を目指した新規治療抗体の創製:擬似血管はがんのターゲットとなるか?

研究課題

研究課題/領域番号 22890192
研究機関帝京大学

研究代表者

野村 鉄也  帝京大学, 薬学部, 助教 (40582854)

キーワード腫瘍擬似血管 / がん転移 / ファージ表面提示法 / 免疫ファージ抗体ライブラリ / 一本鎖抗体 / パンニング
研究概要

本申請研究では、近年腫瘍組織の成長に重要な役割を担うことが報告されている腫瘍擬似血管(Tumor Vasculogenic Mimicry : TVM)に着目をし、がん治療を目指したTVM特異的抗体の創出を目指す。TVMはがん細胞が管腔形成をしてできたものであり、腫瘍組織を増大させるための栄養分の供給や不要物の排出、更には転移に関与するなど、血管様の働きをすることが報告されてきた。したがって、これまで腫瘍組織の増殖に関与するといわれてきた血管新生に加えてTVMの働きを抑制できれば、転移がんをも克服可能な医薬品の開発につながると期待される。そこで我々は、ファージ表面提示法を駆使したTVM特異的抗体の作成を試みてきた。まずin vitroにおいて、マトリゲル上でB16BL/6細胞を培養し、24時間後の管腔形成した細胞をTVM抗原として回収した。この抗原をアジュバントと共に混合してエマルジョンを作成し、マウスに対して隔週で2回免疫を行った。最終免疫1週間後に血清を回収し、抗原に対する抗体価をELISA法にて定量した。その結果、抗原を免疫したマウスの血清では、血清量に依存して抗体価の上昇が確認された。そこでマウスより脾臓を摘出してRNAを抽出し、RT-PCR法によってcDNAを合成した。今後は、得られたcDNAより抗原に対する親和性に優れた一本鎖抗体(single-chain variable fragment ; scFv)ライブラリを作成する。ここから免疫ファージ抗体ライブラリを作成し、TVMに対する結合親和性を利用したパンニング操作を繰り返し行うことで、TVM特異的抗体の創出を目指していく予定である。更には、in vitroにおける検討にて、未だ詳細な機能が明らかとなっていないTVMの特性も解析していく予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Interleukin-1 family cytokines as mucosal vaccine adjuvants for induction of protective immunity against influenza virus2011

    • 著者名/発表者名
      Kayamuro H
    • 雑誌名

      Journal of virology

      巻: 84(24) ページ: 12703-12712

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Therapeutic effect of PEGylated TNFR1-selective antagonistic mutant TNF in experimental autoimmune encephalomyelitis mice2011

    • 著者名/発表者名
      Nomura T
    • 雑誌名

      Journal of controlled release

      巻: 149(1) ページ: 8-14

    • 査読あり
  • [学会発表] 生物学的DDS技術を駆使して作製したTNFR1選択的アンタゴニストの多発性硬化症治療薬としての応用2011

    • 著者名/発表者名
      野村鉄也
    • 学会等名
      第19回DDSカンファランス
    • 発表場所
      グランシップ(静岡)
    • 年月日
      2011-09-04
  • [学会発表] 腫瘍血管内皮細胞を標的としたがん免疫療法の開発2011

    • 著者名/発表者名
      野村鉄也
    • 学会等名
      日本薬学会第131年会
    • 発表場所
      ツインメッセ静岡(静岡)
    • 年月日
      2011-03-29

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公開日: 2012-07-19  

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