本研究の目的は、2点ある。1つ目として、非侵襲的陽圧換気療法(以下NPPVと略す)を受けた急性呼吸不全患者において、NPPV装着での患者の体験や思いを明らかにすることであり、2つ目として、本研究の目的1で得られた結果と研究代表者の筆頭原著論文である「急性呼吸不全患者への非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)継続のための看護師の臨床判断に関する研究」で得られた結果とを比較して看護方略を検討し、NPPVを継続していく上で必要とされる看護支援を行うためのアセスメントツールを開発することにある。 そこで本年度は、本研究で最も重要なNPPVを装着した経験のある患者からのデータ収集を中心に行った。まずは、国内外のNPPVの現状を文献検討すると共に、急性期においてNPPVを使用している研究フィールド(2施設)を確保した。その後、研究倫理審査委員会の承認を得て、急性呼吸不全でNPPVを断続的に12時間以上受けた患者を対象として、NPPV装着での患者の体験や思いに関して、入院中の身体的精神的に安定した時期に半構成的面接を6名の患者に対して行った。1回あたりの面接時間は21~29分であり、総面接時間は154分であった。 今後は、得られたデータを修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチにより継続比較分析を行うことで、さらにデータ収集を進め飽和化を目指す。そしてNPPV装着での患者の体験や思いを明らかにした後(構造化後)、NPPVを継続していく上で必要とされる看護支援を行うためのアセスメントツールを開発していく予定である。
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