研究課題
ダウン症候群は出生1000人に一人発生するもっとも頻度の高い先天異常症候群である。21番染色体のトリソミーが原因であり、重度の発達遅滞をきたすため、生涯にわたり福祉医療のサポートが必要である。近年、合併症の管理が進歩し、成人期以降までキャリーオーバーする患者が大多数となり、成人期以降どのようにサポートするかが問題となってきている。特にダウン症候群患者は成人期以降、アルツハイマー様の急激退行を示すことが多いことが明らかとなってきた。しかし、現在のところ、なぜダウン症候群患者がアルツハイマー様の急激退行を示すことが多いかはよくわかっていない。わずかに剖検脳の病理解析によってアルツハイマー型認知症と同様の病理像を示すことが明らかになっている程度であり、中枢神経機能の詳細は明らかになっていない。そこで、本研究では、ダウン症候群患者の皮膚線維芽細胞からヒト疾患患者由来iPS細胞を樹立し、in vitroでの神経細胞機能解析を行うこととした。本年度は、ダウン症候群患者から皮膚細胞の提供を受け、レトロウイルスにより4因子を導入してiPS細胞を樹立した。樹立できたiPS細胞に関して、アルカリフォスファターゼ染色にて確認した。さらに多能性を獲得できていること、導入した遺伝子がサイレンシングされていることをリアルタイムPCR法により確認し、免疫組織染色にても確認した。最低限3系統のコロニーを選別し、由来が皮膚線維芽細胞と同一であることをマイクロサテライトマーカーで確認した。これらのiPS細胞を用いて遺伝子発現解析を行ったところ、いつくかの遺伝子に関して、優位な発現上昇が認められた。今後、この現象についてさらに検討を行う。
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