研究課題
研究題目:「関節軟骨維持におけるヘパラン脱硫酸酵素(Sulf)の役割」軟骨変性とSulf(臨床的アプローチ)および、荷重負荷とSulf(幼若、成熟牛軟骨を用いた基礎的アプローチ)の関係について予定通り研究を進めている。ヒトの大腿骨より軟骨を採取し、連続切片を荷重部非荷重部ともに採取し、サフラニンOやMSCマーカーの一つであるSTRO-1の免疫染色を行った。その結果、正常荷重軟骨では、両者とも発現が表層に限局しているのに対し、変性軟骨組織では軟骨細胞の凝集したcluster formationで発現が見られた。今後、荷重費荷重の領域から細胞を採取し、Flowcytemetryなどを用いて、細胞の性格を明らかにし、関節軟骨の変性や恒常性に対する役割を明らかにしていく予定である。荷重負荷を行った、牛軟骨組織でサフラニンO染色を行い、FGF receptorをターゲットに免疫染色をおこなっていく。組織にメカニカストレスをかけるだけでなく、細胞にストレッチをかけて、in vitroでの精査も検討に加えている。また、今年に入り、Sulfが軟骨において恒常性維持に重要な役割を果たすBMP7とFGF2の細胞シグナルを同時に調整している事を、Sulf knockout mouseを用いて検討し報告した(Proc Natl Acad Sci USA, 2010)。また、Sulfの阻害剤が合成されそちらも報告されているので,今後,この阻害剤を用いてSulfが軟骨変性に及ぼす影響を検討していく予定である。
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Proc Natl Acad Sci U S A
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