研究概要 |
旧植民地時代に移住した「韓国・朝鮮」籍者をはじめとする在日外国人は、長期在住により高齢化し、介護問題が顕在化している。しかしながら、高齢者施策を講じる上で前提となる、在日外国人の高齢者統計や介護保険統計は未整備のため、実態の把握が困難である。本研究は、WAMNETのデータベースを利用し、在宅要介護の在日外国人の高齢者における、居宅介護サービス受給の実態について、最大の集住地域である大阪市内の居宅介護支援事業所および地域包括支援センター所属のケアマネジャーへの悉皆調査を通して明らかにすることを目的とした。 先行文献を参考に、国籍を含む基本属性や居宅介護サービス利用状況、日本語コミュニケーション能力等の調査項目を盛り込んだ無記名自記式質問紙調査票を作成し、「WAMNET」に公表されている、大阪市所在の居宅介護支援事業所および地域包括支援センター総計1,106カ所に所属するケアマネジャー約2000名を対象に、郵送にて配布、同封の返送用封筒によって回収した。質問紙調査票の発送および回収期間は平成23年3月~4月であった。4月初旬に、回収率向上を目的に、調査協力の再依頼と、返送期間の延長を記載した催促状葉書を作成し発送した。現時点で、回答済みの質問紙調査票を460通回収(回収率23.0%)した。現在、回収した質問紙調査票データの入力作業と数量化したデータベースを作成中であり、逐次分析を進めていく予定である。研究成果の一部について、今年11月に開催される日本国際保健医療学会第26回学術大会にて演題発表を行う予定である。
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