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2011 年度 実績報告書

miRNAによる腸管上皮細胞の恒常性維持とその機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22890238
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

中藤 学  独立行政法人理化学研究所, 免疫系構築研究チーム, 特別研究員 (20584535)

キーワードmicroRNA / 杯細胞 / M細胞
研究概要

本研究はmicroRNA(miRNA)が腸管上皮細胞の恒常性維持にどのような影響を与えるかを明らかにすることである。昨年度までに二つ知見を得ている。(1)杯細胞の分化に影響をあたえる可能性のある候補miRNAを複数見出した。(2)miRNAがM細胞の分化に影響することが示唆された。そこで、本年度はこれらの現象の起因となるmiRNAの同定やその標的を明らかにすることを目的とした。(1)に関しては杯細胞への分化との関連が示唆された複数のmiRNAの中で実際にどのmiRNAが杯細胞の分化に関連するか検討した。集密状態になると杯細胞へと分化する培養細胞株HT29-MTXにおいてmiRNA発現抑制レンチウイルスベクターを用いて特定のmiRNAを欠損させ杯細胞の分化への影響を評価した。フローサイトメーターを用いてmiRNA欠損安定株を樹立し、杯細胞への分化を検討したところ、候補miRNAの中の内の2つのmiRNAにおいて杯細胞への分化が抑制される傾向がみられた。このうち一つのmiRNAはこれまでに報告のある杯細胞の分化に関連する分子を標的とすることがmiRNAの標的予測データベースを用いた解析により明らかとなった。その一方で、miRNAの欠損により杯細胞の分化が促進するものもあった。次に(2)に関しては、腸管上皮特異的miRNA欠損マウスにおいてM細胞を含む濾胞関連上皮層のトランスクリプトーム解析を行い、その発現情報と既に得られていたmiRNAの発現様式の情報を統合することでM細胞の分化に影響をあたえるmiRNAを試みた。その結果、複数の転写調節因子を含む経路がmiRNAにより影響を受けることを示唆する知見が得られた。これらの結果は特定のmiRNAが腸管上皮細胞の分化に影響をあたえることを示したものであり、今後更なる研究により新たな粘膜免疫の理解に重要な役割を果たすと考えられる。

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公開日: 2013-06-26  

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