研究課題/領域番号 |
22900002
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
篠原 雅尚 東京大学, 地震研究所, 教授 (90242172)
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研究分担者 |
平田 直 東京大学, 地震研究所, 教授 (90156670)
纐纈 一起 東京大学, 地震研究所, 教授 (90134634)
佐竹 健治 東京大学, 地震研究所, 教授 (20178685)
藤本 博己 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50107455)
金田 義行 海洋研究開発機構, 地震津波・防災プロジェクト, プロジェクトリーダー (50359171)
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キーワード | 東北地方太平洋沖地震 / 海底地震観測 / 陸上臨時観測 / 海底地殻変動 / マルチチャンネル反射法 / 強震動 / 津波 / 構造物等被害 |
研究概要 |
2011年3月11日14時46分頃、東北地方太平洋沖で日本国内観測史上最大のM9.0の巨大地震が発生し、宮城県では気象庁震度階最大である震度7を記録したことをはじめ、北海道から関東地方にかけての広範囲で極めて強い揺れが観測された。この巨大地震に伴いM7以上の余震が多数発生しているほか、日本の太平洋沿岸で高さ7mを超える津波が観測され、甚大な地震動・津波被害をもたらした。この地震は陸域のプレートとこれに沈み込む太平洋プレートとの境界で発生した地震であり、余震活動の分布は南北約500kmにも及んだ。このような巨大地震とそれに伴う現象は、世界的に見てもまれであり、日本のような観測網の充実した地域で発生した例はこれまでにない。従って、この地震の発生過程を明らかにすることが需要であるが、震源域が海域であるため、海域観測を強化する必要があった。そこで、この地震の発生およびそれに伴う現象を明らかにするために、各種観測研究を行った。震源海域に自己浮上式海底地震計を設置すると同時に、陸域の地震観測点を増強し、海陸両方のデータを統合解析することにより、地震活動の時空間変化を明らかにした。また、地震発生前から設置されていた海底局を用いた海底地殻変動観測を実施し、震源域において地震波反射法構造調査により震源域の詳細な地下構造を求めた。これらの観測により,震源断層の位置・形状が明らかとなった。また、地震波形や津波波形、地殻変動などの各種のデータを説明する今回の巨大地震の断面面滑り分布を明らかにした。今回大きな被害をもたらした津波について、津波遡上高・津波堆積物等の調査を実施し、津波の実態を明らかにした。また、これらデータより、津波発生メカニズムを解明した。建築学会・土木学会・地震工学会等の合同で、今回発生した広域大災害の現地調査を行い、構造物被害や地盤災害の状況を明らかにするとともに、防災対策に資するデータを収集した。
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