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2010 年度 実績報告書

常温熱機関「水飲み鳥」の運動の熱的特性解析と教材化の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22914002
研究機関広島県立宮島工業高等学校

研究代表者

黒川 冨秋  広島県立宮島工業高等学校, 教諭

キーワード常温熱機関 / 水飲み鳥 / アインシュタイン
研究概要

常温熱機関「水飲み鳥」について考察した。(1)内部温度の計測方法の検討(2)作動物質(塩化メチレン、ジエチルエーテル、フレオン11)の熱的特性のデータ収集、さらに作動物質としての水の利用について、考察を行った。(3)「水飲み鳥」の認識、製造の歴史を調査した。「トーマス・リー・バッキージョセフ・P・ブランク補筆小津次郎訳アインシュタイン-ある個人的な回想録-図書184号、1964年12月号」には「わたしの兄がアインシュタインに仕掛け玩具を贈ったことがある。それは、水を入れたコッブの縁に小鳥がとまっていて、水の中に頭を入れたり出したり、まるで永久運動のように動作をくりかえすのである。アインシュタインは坐って、この運動を起こさせる原理を発見しようとして、楽しそうに眺めていたが、原理は発見できなかった。」等の記述を確認したが、「日本人の発明になる水飲み鳥」との見解の検証はできなかった。ガモフは"熱機関の原理にもとづいた、日本の巧妙なオモチャ"、ペレリマンは「中国から伝わってきたおもちゃに、《水飲み鳥》とも言われているものがあります。」と紹介している。(4)台湾での製造現場の調査は、困難で、現在は中国で製造されていることがつかめた。日本での調査は「企業秘密」の壁がある。「孤独なライフワーク神山恵三(文藝春秋)」には「水飲み鳥の育ての親-アインシュタインを考えこませた水飲み鳥と平田棟雄氏オモチャの最高傑作」として「虎ノ門の特許庁に向かった。」「昭和二十四年五月三十日付けの初めての書類の上に、さらに何通もの書類が貼付されていた。」との実用新案の記述を確認。(5)日本の文献では、定量的説明は少なく、作動物質の「凝縮」の事実の検証も不十分である。(6)外国の論文では、研究の方向は定量的・理論的な追究も多いが、熱的なメカニズムの全体的な解明が不充分である。カルノーの理想的なサイクルではサイクルに必要な時間は無限大にかかるが、現存の熱機関の周期は有限であり、機械的なメカニズムが、熱的な動きを制限している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 常温熱機関「水飲み鳥」の運動の熱的特性解析と教材化の研究2010

    • 著者名/発表者名
      黒川冨秋
    • 雑誌名

      日本物理学会講演概要集

      巻: 第65巻第2号第2分冊 ページ: 351-351

  • [雑誌論文] 熱・エントロピー教材としての熱機関2010

    • 著者名/発表者名
      桐山信一, 黒川冨秋
    • 雑誌名

      エントロピー学会第28回全国シンポジウム京都大会 予稿集

      ページ: 54-57

  • [学会発表] 常温熱機関「水飲み鳥」の運動の熱的特性解析と教材化の研究 A study of the thermal characteristics and differential from room temperature of the drinking bird', a heat engine, using teaching materials.2010

    • 著者名/発表者名
      黒川冨秋
    • 学会等名
      日本物理学会2010年秋季大会
    • 発表場所
      大阪府立大学
    • 年月日
      2010-09-24

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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