研究課題/領域番号 |
22H00003
|
研究機関 | 愛知県立芸術大学 |
研究代表者 |
柴崎 幸次 愛知県立芸術大学, 美術学部, 教授 (10315872)
|
研究分担者 |
神谷 直希 愛知県立大学, 情報科学部, 准教授 (00580945)
阪野 智啓 愛知県立芸術大学, 美術学部, 准教授 (00713679)
岩田 明子 愛知県立芸術大学, 美術学部, 非常勤講師 (50830741)
本田 光子 愛知県立芸術大学, 美術学部, 准教授 (80631126)
健山 智子 藤田医科大学, 医療科学部, 准教授 (90550153)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
キーワード | 紙の伝播 / 手漉き紙 / ディープラーニング / 製紙材料 |
研究実績の概要 |
本研究は、現在も不明な点が多い“紙の道”(紙の伝播)の解明に焦点をあて、歴史の時系列の中でどのような紙の文化であったかを、データサイエンス領域と共同し、紙の文化に潜んだ真実を明らかにし、その多様性を解明することが目的である。携帯顕微鏡カメラによる多くのサンプル撮影とディープラーニングによる画像解析を活用し、さらに様々な観察や計測、画像シミュレーションを用いた多面的な解析結果を融合させ、非破壊で簡易に撮影できる画像を用いた紙質分析の飛躍的な向上を目指す。 これまで実践的研究に取り組んできた紙の組成解明にAIを用いる方法から、さらに多面的解析システムを導入し、紙の伝播の実体を解明するアプローチを大幅にアップデートすることが研究全体の重要課題であった。 技術の進化の著しいデジタルマイクロスコープなどの選定は重要であり、鮮明な画像が得られる白色コンフォーカル顕微鏡を導入することが、最も望ましい選択肢であった。よって、資金を繰越し、この導入を令和5年初期に実現することとした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度研究計画は、研究事業1年目でもあり、研究協力関係の構築と拡張のため、研究会の開催や、協力機関とのキックオフミーティングを実施した。具体的には、5月に、全研究メンバーによる第1回の研究会を開催した。また、海外調査やデータ収集の効率化や紙片再検証を滞りなく行うために遠隔システムの活用により関係者のキックオフミーティングを実施した。 6から9月は、多面的画像解析システムによる紙の検証についてアドバイザーとの協議や、成田山書道美術館を皮切りに、博物館への協力体制の構築を行った。 研究周知の情報発信として、研究PR資料の作成、及びWEBサイトの構築を行った。多面的解析システムとして、導入を予定しているデジタルマイクロスコープによる顕微鏡システムの機種選定は重要であり、技術革新が早い中、データサイエンスによる画像解析に最適かつ、今後のAI活用への応用性をふまえて、白色コンフォーカル顕微鏡が最適と結論づけた。 10月に、研究者ミーティングを対面及びZOOM会議にて開催した。 11月には、和紙文化研究会でのリモートによる発表を実施した。国外からも参加があり、研究について紙の専門家の間での議論を深めた。 また、2023年度、海外(ドイツ)での研究関連展示が決定し、研究発表のコンテンツ等の準備を行った。
|
今後の研究の推進方策 |
白色コンフォーカル顕微鏡が最適と結論づけ資金の繰越を行ったが、令和5年度初期に白色コンフォーカル顕微鏡の導入を達成すると同時に、新たな専用の研究室の整備計画を策定した。
|