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2022 年度 実績報告書

第三世代としての編集―古典の再生と文学研究の活性化をめざす編集文献学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22H00008
研究機関成城大学

研究代表者

明星 聖子  成城大学, 文芸学部, 教授 (90312909)

研究分担者 納富 信留  東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (50294848)
松田 隆美  慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (50190476)
伊藤 博明  専修大学, 文学部, 教授 (70184679)
井出 新  慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (30193460)
山上 浩嗣  大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 教授 (40313176)
矢羽々 崇  獨協大学, 外国語学部, 教授 (60265361)
田尻 芳樹  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20251746)
原 基晶  東海大学, 文化社会学部, 准教授 (50412218)
中谷 崇  横浜市立大学, 国際教養学部(教養学系), 准教授 (50264669)
北島 玲子  成城大学, 国際編集文献学研究センター, 特別客員研究員 (10204893)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワード文献学 / 資料 / 人文学 / 編集 / 文学
研究実績の概要

今回のプロジェクトの初年度にあたる今年度は、第三世代の編集というコンセプトを、理論的に検討するとともに、個別のテーマについての問題点を全体で確認することを中心に活動を展開した。クローズドの全体ミーティングを4回、また全体研究会を3回開催したほか、公開イベントとして、ワークショップを1回、セミナーを1回、またシンポジウムを2回開催した。公開のイベントについて、各テーマは以下のとおり。第1回ワークショップは「ドイツ編集文献学を学ぶ」、第1回シンポジウムは「イタリア編集文献学の世界」(いずれも2022年6月)、第1回セミナーは「ムージル『特性のない男』の編集をめぐって」、第2回シンポジウムは、「ダンテ『神曲』「地獄篇第5歌」フランツェスカの愛の歌をめぐってー新たな校訂テクストをもとに」(いずれも2022年10月)。また、これら研究会全体としての活動以外に、研究代表者あるいは研究分担者がリーダーとなって研究協力者をメンバーとする研究チームを、対象の作家ごとに結成、チームごとの研究活動も展開している。とくに、すでに定期的な研究会を開催して、今年度論文としての成果発表を実現しているのは、カフカの『審判』の編集に関する研究チーム、また、まだ成果発表にはいたっていないものの、同様に定期的な研究会を開催して議論を重ね、来年度の成果発表が見込まれるのは、ヘルダールンの後期詩の編集に関する研究チーム、また日本近代文学の草稿の管理と編集に関する研究チームである。なお、こうしたグループとしての研究以外に、各自が個人的におこなう研究についても、国際学会また国内学会での成果発表や、国内外の学術誌での論文等の発表がおこなわれ、着実な展開を示している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

クローズドの全体研究会3回に加えて、公開のイベントとして、ワークショップを1回、セミナーを1回、またシンポジウムを2回開催するなど、活発な研究活動を展開している。具体的な成果につなげるために、作家ごとの研究チームも結成されて、チームごとの検討も進められている。これらのグループとしての研究以外にも、各自の調査研究、資料収集や成果発表も着実に積み上げられている。

今後の研究の推進方策

今後は、対象の作家ごとのチームでの活動を活発化させて、第三世代としての編集のコンセプトに基づくテクスト編集を実現していきたい。すでに、カフカおよびヘルダーリンのテクスト編集をめぐるチームは定期的な活動を展開しているが、今年度ですでに準備段階をほぼ終了したムージルおよび中原中也のテクスト編集をめぐるチームについても、より一層具体的な成果を目指した展開につなげたい。また、今後も今年度同様に公開シンポジウムやセミナー等を積極的に企画して、アウトリーチ的な幅広い層を対象とするイベントを催す一方、海外から重要な研究者や作家を招聘して、より専門的な国際会議や国際シンポジウムも開催したいと考えている。

  • 研究成果

    (28件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 4件、 招待講演 8件) 図書 (3件)

  • [国際共同研究] Universite la Sorbonne nouvelle -Paris 3(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      Universite la Sorbonne nouvelle -Paris 3
  • [雑誌論文] 「グルーバッハ夫人」・「最初の審理」・「人気のない法廷」の執筆順推定をめぐる中間報告ーカフカ『審判/訴訟』の編集・翻訳プロジェクト2023

    • 著者名/発表者名
      明星聖子、二藤拓人、森林駿介
    • 雑誌名

      成城大学大学院文学研究科「ヨーロッパ文化研究」

      巻: 42 ページ: 143-162

  • [雑誌論文] ベネデット・コトルリ『商業技術の書』の「発見」と刊行(2)2023

    • 著者名/発表者名
      伊藤博明
    • 雑誌名

      専修人文論集

      巻: 113 ページ: 1-15

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] オカルト的タロットの黎明(2)――ド・メレ「タロットについて」2023

    • 著者名/発表者名
      伊藤博明
    • 雑誌名

      人文科学年報

      巻: 53 ページ: 71-105

  • [雑誌論文] 太陽崇拝と太陽中心説――フィチーノからカンパネッラへ2023

    • 著者名/発表者名
      伊藤博明
    • 雑誌名

      ユリイカ

      巻: 55(1) ページ: 136-146

  • [雑誌論文] Socrates and the Sophists: Reconsidering the History of Criticisms of the Sophists2022

    • 著者名/発表者名
      Noburu Notomi
    • 雑誌名

      Humanities 2022

      巻: 11,153 ページ: 1-13

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 田辺元とギリシア哲学 ―プラトン弁証法としての「種の論理」2022

    • 著者名/発表者名
      納富信留
    • 雑誌名

      危機の時代と田辺哲学 ―田辺元没後60周年記念論集

      巻: - ページ: 160-182

  • [雑誌論文] 世界哲学における分析哲学2022

    • 著者名/発表者名
      納富信留
    • 雑誌名

      哲学雑誌

      巻: 146/809 ページ: 133-153

  • [雑誌論文] つくる哲学に向けて ―ソフィストと哲学者の間再考―2022

    • 著者名/発表者名
      納富信留
    • 雑誌名

      現代思想

      巻: 8月号 ページ: 112-121

  • [雑誌論文] Homonymy and Similarity in Plato’s Parmenides2022

    • 著者名/発表者名
      Noburu Notomi
    • 雑誌名

      Plato’s Parmenides

      巻: ー ページ: 211-219

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 自己言及の誘惑――ジャン・アメリー『ルフーあるいは取り壊し』について2022

    • 著者名/発表者名
      北島玲子
    • 雑誌名

      上智大学ドイツ文学論集

      巻: 59 ページ: 159-193

  • [雑誌論文] エリザベス朝のピューリタン回心ナラティヴ─『ロバート・グリーンの回心』(1592)を巡って2022

    • 著者名/発表者名
      井出新
    • 雑誌名

      藝文研究

      巻: 123-3 ページ: 31-45

  • [雑誌論文] 「地獄篇」第三歌と第四歌の場面転換 : 書かれていない場面を読むこと2022

    • 著者名/発表者名
      原基晶
    • 雑誌名

      世界文学

      巻: 135 ページ: 1-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ベネデット・コトルリ『商業技術の書』の「発見」と刊行(1)2022

    • 著者名/発表者名
      伊藤博明
    • 雑誌名

      専修人文論集

      巻: 112 ページ: 55-84

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] << Mourir lachement et mollement >> :Pascal face a la mort ideale selon Montaigne2023

    • 著者名/発表者名
      Hirotsugu Yamajo
    • 学会等名
      << Pascal, prophete et resistant >>, colloque du 400e anniversaire de Blaise Pascal, organise par Dominique Descotes, Laurence Plazenet et Laurent Thirouin, Maison de la culture Clermont-Ferrand
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 対話する身体にむけて─板橋勇仁『こわばる身体がほどけるとき』を読む2022

    • 著者名/発表者名
      納富信留
    • 学会等名
      立正大学哲学会2022年度大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 真理の共同探求としての対話―古代ギリシアにおける対話の哲学の形成―2022

    • 著者名/発表者名
      納富信留
    • 学会等名
      日本倫理学会第73回大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 田辺元とギリシア哲学―プラトン弁証法としての「種の論理」―2022

    • 著者名/発表者名
      納富信留
    • 学会等名
      中山大学哲学系講演会
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Similarities between the Sophist and the Philosopher2022

    • 著者名/発表者名
      Noburu Notomi
    • 学会等名
      IPS Symposium Platonicum
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 自己言及の誘惑――ジャン・アメリー『ルフーあるいは取り壊し』について2022

    • 著者名/発表者名
      北島玲子
    • 学会等名
      日本オーストリア文学会
    • 招待講演
  • [学会発表] ムージル『特性のない男』の編集をめぐって 遺稿編集の歴史と現状2022

    • 著者名/発表者名
      北島玲子
    • 学会等名
      成城大学国際編集文献学研究センター主催  第1回セミナー
  • [学会発表] La politique et la morale chez Montaigne et Pascal. Le respect de la loi, meme injuste, et l’aversion pour la reforme politique2022

    • 著者名/発表者名
      Hirotsugu Yamajo
    • 学会等名
      Journee d'etudes du CEIPPREM, structure federative de recherche de la Sorbonne nouvelle - Paris 3
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] モンテーニュが語る老、病、性ーー『エセー』における身体の経験2022

    • 著者名/発表者名
      山上浩嗣
    • 学会等名
      2022年度 ラスタ教養大学 言葉文化コース
    • 招待講演
  • [学会発表] 「世界初のビジネス書」の発見と刊行ールネサンスの商人・人文主義者ベネデッド・コトルリをめぐって2022

    • 著者名/発表者名
      伊藤博明
    • 学会等名
      成城大学国際編集文献学研究センター主催第1回シンポジウム
  • [学会発表] ダンテ『神曲』「地獄篇 第五歌」フランチェスカの愛の歌をめぐって: 新たな校訂版テクストをもとに2022

    • 著者名/発表者名
      原基晶
    • 学会等名
      成城大学国際編集文献学研究センター主催 第2回シンポジウム
  • [図書] 啓蒙思想の百科事典2023

    • 著者名/発表者名
      日本18世紀学会 啓蒙思想の百科事典編集委員会 編(山上浩嗣)
    • 総ページ数
      714
    • 出版者
      丸善出版
  • [図書] イタリアの文化と日本: 日本におけるイタリア学の歴史2023

    • 著者名/発表者名
      井元章, 石田聖子, フランチェスコ・カンパニョーラ, 菊池正和, 國司航佑, 霜田洋祐, 高田和文, 原基晶, 星野倫, 森田学, 山﨑彩
    • 総ページ数
      344
    • 出版者
      松籟社
  • [図書] 日本の「第九」 合唱が社会を変える2022

    • 著者名/発表者名
      矢羽々崇
    • 総ページ数
      303
    • 出版者
      白水社
    • ISBN
      978-4-560-09466-2

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公開日: 2023-12-25  

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