研究課題
基盤研究(A)
本研究は、近世の「グローバル多元主義」と「地域大国主義」の相克のなかで、個人はどのように国家や地域社会と宗教的な折り合いをつけて宗教アイデンティティを保ったのかを、ユーラシア規模で解明することを目的とする。国家、社会、個人のレベルを設定し、それらの関係を、ユーラシアの各地域の研究者が、海外の研究者とともに考察を進めるものである。
世界史的共時性の高くなる近世の特質を明らかにしようとする研究として評価できる。グローバルヒストリー上の近世を論ずるにあたって、宗教的アイデンティティを切り口にしている点に独自性がある。実証性を重んじたグローバルヒストリーの視座を提示し、近代史との接合を目指すという点で、波及効果が期待される。