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2022 年度 実績報告書

「妖術」はどこから犯罪か?―旧英領アフリカ諸国の司法判断の合理性

研究課題

研究課題/領域番号 22H00035
研究機関神戸大学

研究代表者

梅屋 潔  神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (80405894)

研究分担者 橋本 栄莉  立教大学, 文学部, 准教授 (00774770)
栗本 英世  大学共同利用機関法人 人間文化研究機構本部, 大学共同利用機関等の部局等, 理事 (10192569)
慶田 勝彦  熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (10195620)
石田 慎一郎  東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (10506306)
波佐間 逸博  東洋大学, 社会学部, 教授 (20547997)
浜本 満  一橋大学, その他部局等, 名誉教授 (40156419)
近藤 英俊  関西外国語大学, 外国語学部, 教授 (40351556)
松田 素二  総合地球環境学研究所, 研究部, 特任教授 (50173852)
田原 範子  四天王寺大学, 人文社会学部, 教授 (70310711)
久保 秀雄  京都産業大学, 法学部, 教授 (80378512)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワード妖術 / フィールドワーク / データベース / アプリケーション / 日常生活 / 社会的影響
研究実績の概要

2022年度は、いまだ新型コロナウイルス感染症の影響で、フィールドワークは予定通りの実施は難しかった。しかし、メンバーの何人かは、フィールドワークにでかけ、本プロジェクトに関する重要な知見をもたらしている。そのうち最も重大なものは、ある程度予想はされていたことではあるが、妖術問題に限らず(1)裁判記録に関する電子化のレベルが国ごとに異なっており(2)電子化されていた場合でも、利用可能性にかんして著しいバラツキがあるということであった。ケニアなどは、データベース化が進み、かなり自由に最高裁など高次の裁判記録は検索・参照できるが、データベースが機能していない国もまま見られた。国によっては、判例を調査するような有料アプリケーションやサービスが複数存在することも明らかとなったが、それぞれがどの程度信頼できるものなのかは未知数である。そうなると、かなり高次の裁判記録も現地調査で集めなければならないということになり、フィールドワークの重要性が一段と増すことが予想された。また、日常的な妖術についてギニアの事例にもとづくゲストスピーカーの講演も含めて活発な議論が展開されたが、日常的に妖術の作法を私たち(部外者・人類学者)があらかじめ行ってしまうことが、予想もしない影響を与えてしまう可能性がある、とのことが過去の行政官の事績を踏まえて指摘され共有された。人類学者をはじめとする調査者が現地社会に巻き込まれてしまうのは不可避的だが、自ら率先して入ってしまったときに想像を超える大きな影響が出たらどうするか、このことは特に「妖術犯罪」のような社会問題を考える場合には、不可避的に考えておかなければならないことだと再確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症によって、現地のフィールドワークや国際シンポジウムの開催に大きな障害が認められたため。

今後の研究の推進方策

感染症の状況や、研究協力者のいる各国の事情をよくにらんで、可能な部分から実施していくこと、オンラインなどを織り交ぜ、フィジカルなリスクと困難を最小化する努力をすること。また、現地に行かないで可能な研究活動にエフォートを振り向けること。

  • 研究成果

    (21件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 4件、 招待講演 5件) 図書 (7件) 備考 (2件)

  • [国際共同研究] Langaa RPIG/Buea University/Bamenda University(カメルーン)

    • 国名
      カメルーン
    • 外国機関名
      Langaa RPIG/Buea University/Bamenda University
  • [国際共同研究] University of Cape Town(南アフリカ)

    • 国名
      南アフリカ
    • 外国機関名
      University of Cape Town
  • [雑誌論文] 小政体の文化人類学的意義2023

    • 著者名/発表者名
      栗本英世
    • 雑誌名

      文化人類学

      巻: 87(4) ページ: 553-572

    • DOI

      10.14890/jjcanth.87.4_553

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 2022年 学界回顧 法社会学2022

    • 著者名/発表者名
      久保秀雄
    • 雑誌名

      法律時報

      巻: 94(13) ページ: 211-220

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「本物の男」と「複写男」のあいだで : 南スーダン紛争後社会における瘢痕とハイブリッドな「男らしさ」2022

    • 著者名/発表者名
      橋本栄莉
    • 雑誌名

      史苑

      巻: 82(1) ページ: 79-106

    • DOI

      10.14992/00021472

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] アフリカの若者の身体2022

    • 著者名/発表者名
      橋本栄莉
    • 雑誌名

      史苑

      巻: 82(1) ページ: 63-78

    • DOI

      10.14992/00021471

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Obwavu: The Cultural Concepts of Poverty Narrated among Refugees in Central Uganda Part IV2022

    • 著者名/発表者名
      梅屋潔、EDWARD K KIRUMIRA
    • 雑誌名

      国際文化学研究

      巻: 58 ページ: 1-106

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] On Ethnographic Translation: Duruma notion of 'maphingani' and incest.2022

    • 著者名/発表者名
      Mitsuru Hamamoto
    • 学会等名
      Japan Advanced Institute of Science and Technology, Kanazawa, Ishikawa Pref.
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] The Gospel Sounds like the Witch’s Spell: Dealing with Misfortune among the Jopadhola of Eastern Uganda JCAS賞受賞記念講演、2022

    • 著者名/発表者名
      梅屋潔
    • 学会等名
      地域研究コンソーシアム2022年度年次集会
    • 招待講演
  • [学会発表] Possibilities and Difficulties of NARRATIVE: From Anthropological Fieldwork2022

    • 著者名/発表者名
      Motoji Matsuda
    • 学会等名
      2022 KLASICA-RIHN-IASS INTERNATINAL SYMPOSIUM "Narrative Insights for Emerging Cultures of Sustain"
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] To Be, or Not to Be a “Real Man” : Tactical Agency of the Nuer Youths in Post-conflict Society of South Sudan2022

    • 著者名/発表者名
      Eri Hashimoto
    • 学会等名
      7th meeting, ILCAA-African Youths
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] The Gospel Sounds like the Witch’s Spell: Dealing with Misfortune among the Jopadhola of Eastern Uganda2022

    • 著者名/発表者名
      Kiyoshi Umeya
    • 学会等名
      Center of Migration Research Seminar 2023 The Contemporary Dynamics of Diverse Perspectives on Life and Death
    • 国際学会 / 招待講演
  • [図書] 旅するモヤモヤ相談室2023

    • 著者名/発表者名
      木谷百花編 松田素二
    • 総ページ数
      208
    • 出版者
      世界思想社
    • ISBN
      479071781X
  • [図書] アフリカにおける健康と社会―― 人間らしい医療を求めて2023

    • 著者名/発表者名
      井田暁子、梅屋潔 編
    • 総ページ数
      212
    • 出版者
      風響社
    • ISBN
      4894893118
  • [図書] 聖性の物質性: 人類学と美術史の交わるところ2022

    • 著者名/発表者名
      木俣元一, 佐々木重洋, 水野千依、編 橋本栄莉
    • 総ページ数
      680
    • 出版者
      三元社
    • ISBN
      4883035484
  • [図書] フィールドから地球を学ぶ: 地理授業のための60のエピソード2022

    • 著者名/発表者名
      横山智、湖中真哉、油井義通、綾部真雄、森本泉編、松田素二
    • 総ページ数
      138
    • 出版者
      古今書院
    • ISBN
      9784772271554
  • [図書] アフリカ潜在力が世界を変える オルタナティブな地球社会のために2022

    • 著者名/発表者名
      松田素二、フランシス B ニャムンジョ、太田至(共編著)
    • 総ページ数
      462
    • 出版者
      京都大学学術出版会
    • ISBN
      9784814004447
  • [図書] アフリカ潜在力のカレイドスコープ2022

    • 著者名/発表者名
      落合雄彦編 松田素二
    • 総ページ数
      256
    • 出版者
      晃洋書房
    • ISBN
      9784771036604
  • [図書] Bouncing Back: Critical Reflections on the Resilience Concept in Japan and South Africa2022

    • 著者名/発表者名
      Tamara Enomoto, Marlon B Swai, Kiyoshi Umeya and FB Nyamnjoh eds
    • 総ページ数
      438
    • 出版者
      Langaa RPIG
    • ISBN
      9956552232
  • [備考] Projects

    • URL

      https://www.umeyakiyoshi.jp/project/index.html

  • [備考] Projects

    • URL

      https://www2.kobe-u.ac.jp/~umeya/site01/fieldnotes002.html

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公開日: 2024-12-25  

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