研究課題/領域番号 |
22H00052
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
池田 謙一 同志社大学, 社会学部, 教授 (30151286)
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研究分担者 |
安田 雪 関西大学, 社会学部, 教授 (00267379)
前田 幸男 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (30347257)
柴内 康文 東京経済大学, コミュニケーション学部, 教授 (60319457)
日野 愛郎 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (30457816)
遠藤 晶久 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (80597815)
小林 哲郎 神戸大学, 法学研究科, 研究員 (60455194)
Jou Willy 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (20617055)
竹本 圭佑 藍野大学, 医療保健学部, 助教 (60824901)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | インターネット選挙 / ソーシャルメディア / 政治参加 / ソーシャルネットワーク / 参議院議員選挙 |
研究実績の概要 |
本研究は2年度に渡るパネル調査である。本年度は全国面接調査として参院選ネット選挙調査を実施した。計画サンプル数を全国150地点3300サンプル、回収数1320を目標とした。調査は面接調査部分と面接調査後に記入を依頼する留め置き調査部分に分かれ、面接調査部分では回収数1344、留め置き調査部分では回収数1485であった(どちらか片方に回答した回答あり、全てに回答した回収数は1237=回収率37.5%)。 本調査は、コロナ災禍下の情報環境激変を踏まえた「インターネット選挙」調査であり、2013年参院選時の全国調査を比較対照として実施した。インターネットを情報や接触他者の能動選択の機会を拡張したプルメディア、半自動的に情報受信するプッシュメディア、インタラクティブなメディアとして分節化し、マスメディアや対面的行動がもたらす選挙時の役割と比較考量しうるデータを取得した。2013年には選挙に関わる情報授受媒体・動員手段、インタラクティブな場としてのインターネットの機能は未発達であったが、新たにアフターコロナのネット選挙の機能の変動を分析しうるデータを取得した。結果は、選挙立候補者や政党からの動員に関しては、インターネット系統の手段は僅かに増加していたものの顕著ではなかった。他方、選挙期間中のインターネットを通じた政治や選挙についての情報接触は多大に増大していた。ニースサイトなどネットニュース系等での選挙情報接触は66%、SNSを通じての選挙情報接触は34%に上った(政党サイトでは6%のみ)。さらにSNSでの他者の意見接触率は半数、クリックや引用など弱い形での内容まで含めたネット政治参加も10%を超えた。たしかにインターネットを媒介とした選挙関連情報の流通の進展が見られた一方、発信するメディア、政治参加するメディアとしてのインターネットの伸びはそれほど顕著ではない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データのクリーニングは終了し、2013年度との比較分析、インターネットが有権者の意思決定に及ぼす効果の検討、社会や政治に対する統治の不安との関連性、新型コロナ災禍の経験との関連性について分析を進めている。より具体的には、分析上、従属変数を投票行動、政治参加行動、政党ごとの動員、インターネット発信行動(政治発言、共有、オフラインへのスピルオーバー行動等)とし、インターネット接触行動(プル、プッシュ、インタラクティブ)やマスメディア接触行動とともに、ソーシャルネットワーク内での行動、他の主要な政治意識項目(将来期待、業績評価、争点評価、政党・主要政治リーダー評価、政治的有効性感覚、政治知識等)、コロナ・パンデミックに対する政府評価を含めて、2013年調査の知見との間でマスメディアや対面的行動がもたらす選挙時の役割を多変量解析手法に基づき、比較考量を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度に取得するアジアンバロメータ調査第6回日本調査とはデータ取得が完成すればパネルデータとして結合し、インターネット利用とアジア的価値観や民主主義に対する多面的態度との関連性を検討している。
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