• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実績報告書

中東諸国民の政策選好と統治の正統性

研究課題

研究課題/領域番号 22H00055
研究機関龍谷大学

研究代表者

濱中 新吾  龍谷大学, 法学部, 教授 (40344783)

研究分担者 松尾 昌樹  宇都宮大学, 国際学部, 教授 (10396616)
高岡 豊  東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 研究員 (10638711)
青山 弘之  東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (60450516)
錦田 愛子  慶應義塾大学, 法学部(三田), 教授 (70451979)
今井 宏平  独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 研究企画部, 海外研究員 (70727130)
山尾 大  九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (80598706)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワードサーベイ実験 / 統治の正統性
研究実績の概要

中東諸国の国内政治はしばしば国際的に大きな影響を及ぼすことがあるため、政策決定プロセスの解明は国際問題解決のために強く求められる研究課題である。本研究は、中東諸国の国内政治を各国の国民による政策選好の結果に位置付け、世論調査を通じて人々の現実的な政策需要と統治機構への評価態度の関連を分析することで、国民から見た政府の承認、すなわち統治の正統性を明らかにする。
2023年度の重点地域は最大多数のシリア難民を受け入れたトルコだった。トルコでオンライン・サーベイ実験を行い、データの収集を行った。並んで司法改革問題で国内が二分しているイスラエルでもオンライン・サーベイ実験を実施した。
トルコでのサーベイ実験は研究分担者の今井宏平が中心となり、2023年10月に実施・完了した。その後、データを分析した研究論文を共著で執筆し、トルコの首都アンカラにある中東工科大学などで研究セミナーを実施した。セミナーなどでは多くのトルコ人研究者からフィードバックをもらって研究成果の改善に努めた。
イスラエルでは2023年10月6日、ガザを支配するハマースならびに他の武装組織によるイスラエル領内への奇襲攻撃および人質の拉致事件が生じた。その後、イスラエル政府はガザ地区への全面攻撃を展開、現在まで紛争は継続している。戦争発生のため、収集したサーベイデータに基づく研究はいったん停止しており、イスラエル国内への現地調査も取りやめた。
2022年度にサウジアラビアで収集したサーベイデータを用いた研究は分担者の松尾昌樹とともに共著論文を執筆している。論文はInternational Studies Associationの東京大会で報告され、フィードバックを受けた。報告論文は共著者と共にリライト中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度に収集したデータを分析した研究論文は今年度の国際学会で報告する段階に進んだ。また今年度に収集したデータを分析した研究論文は来年度の国際学会で報告される予定である。イスラエルで戦争が起きているため、同国の研究者からフィードバックを受けにくい状態にあり、2023年度の研究は計画のとおりに進行しているものの、加速できる状態とは言えなかった。

今後の研究の推進方策

今後は計画書に書かれているとおり、イラクでオンライン・サーベイ調査を行う予定である。併せてイスラエルでもオンライン・サーベイ調査を行う。研究機関との折衝は対面ではなくE-mailやZoomなどのオンライン会議システムを通じて行い、外務省海外安全ホームページの危険情報を参考にして渡航は避ける方向で進める。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Toward Building a Deeper Relationship between Turkey and Japan for the Next 100 Years2024

    • 著者名/発表者名
      Kohei Imai
    • 雑誌名

      Insight Turkey

      巻: 26 ページ: 117-133

    • DOI

      10.25253/99.2024261.9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] State Reconstruction, Political Actors, and Expectations of Syrians Regarding Development Assistance from Foreign Countries2023

    • 著者名/発表者名
      Shingo Hamanaka and Miyui Tani
    • 雑誌名

      Annals of Japan Association for Middle East Studies

      巻: 39 ページ: 1-22

    • DOI

      10.24498/ajames39.1_1

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] シリアにおける越境(クロスボーダー)人道支援:人道性と政治性2023

    • 著者名/発表者名
      青山 弘之
    • 雑誌名

      国際情勢紀要

      巻: 94 ページ: 165-195

  • [雑誌論文] 紛争後の非リベラルな国家建設を市民はどのように認識するのか2023

    • 著者名/発表者名
      末近 浩太・山尾 大
    • 雑誌名

      比較政治学会年報

      巻: 25 ページ: 53-80

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 紛争後のシリアにおける部族出身議員輩出のメカニズム2023

    • 著者名/発表者名
      高岡 豊
    • 雑誌名

      国際安全保障

      巻: 51 ページ: 62-79

    • DOI

      10.57292/kokusaianzenhosho.51.2_62

    • 査読あり
  • [学会発表] Polarization, Policy Preferences, and Democratic Decay in Israel?2023

    • 著者名/発表者名
      Shingo Hamanaka
    • 学会等名
      International Political Science Associtaion
    • 国際学会
  • [学会発表] Saudi Prime Minister's Power and People’s Preferences for the National-Immigrant Plural Society2023

    • 著者名/発表者名
      Shingo Hamanaka
    • 学会等名
      International Studies Association Asia-Pacific
    • 国際学会
  • [備考] Hamanaka Laboratory (Middle East Politics)

    • URL

      https://www.law.ryukoku.ac.jp/~oshiro/

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi