研究課題/領域番号 |
22H00098
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
杉本 充 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (60196756)
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研究分担者 |
高橋 太 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (10374901)
BEZ NEAL 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (30729843)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 関数不等式 / 最良定数 |
研究実績の概要 |
本研究は,様々な函数不等式に対する最良定数と最良を達成する函数を決定する問題に対して,変分法・調和解析・表現論の手法を用いて多角的にアプローチし,偏微分方程式論も援用することによって,それらが定める基底状態としての諸相を突き止め,さらにはこれら異なる函数不等式の基底状態どうしの関連性にまで掘り下げて探究していくことにより,それらをより普遍的な法則として統一的に理解していくことを目指すものである.その目的のため,個々の函数不等式に対する理解をそれぞれ掘り下げていく「フェーズ I:函数不等式が定める基底状態の探究」と,それらの成果を互いに関連付けることにより普遍的な法則を読みとることを目指す「フェーズ II:基底状態の諸相を支配する普遍的法則の探究」の 2つのフェーズプランの形態で研究を進めていくが,本年度に主に 1. 波動方程式のLp-評価 2. 分散型方程式の時空間評価 の二つの課題に対して重点的に取り組んだ.課題1に関しては,多様体上などの一般的な状況における波動方程式の初期値問題の基本解に対するLp-評価に関して,既に様々な知見が得られているシュレデインガー方程式に対するLp-評価から導出する方法論の構築を試みた.課題2に関しては,分散型方程式の時空間評価式において,局所的なものから大域的なものを導出する方法論の構築を目ざした.これらはフェーズIの研究ではあるが,既知の結果を未知の結果を結びつけるという意味で,フェーズIIの研究への端緒ととらえることもでる.これらの研究はいずれも途上の段階にあり,今後も継続して研究していく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
課題1の波動方程式のLp-評価に関しては,これまでの研究により波動方程式の基本解とシュレディンガー方程式の基本解をスペクトル論的に結びつける等式にまで到達しており,今後の進展へと繋がる成果と考えている.課題2の分散型方程式の時空間評価に関しては,問題をより単純な状況へと帰着する作業までは完了済みである.こちらも問題の本質の解明にせまる成果として捉えることができる.
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今後の研究の推進方策 |
ここまではフェーズIIの研究の一環として上記課題1,2に取り組んできたが,これらは本研究における柱ともなりうるものであり,まずはこれらの最終的完成を目指したい.それと同時に,フェーズIの研究にも随時取り組んでいきたい.具体的には,双線形方程式に関する時空間評価式は非線形問題においてもたびたび登場する重要なものであるが,この方面での研究は世界的にも限られている.今後の研究においてこれに関する知見も拡げていき,さらには非線形問題への応用も目指していきたい.また,これらの研究には多角的な視点が必要であり,国際研究集会などを積極的に開催すことにより,様々な研究者との研究討論の機会を創生し,本研究の後押しとしていきたい.
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