研究課題
本年度の目的は、PLATO (主半径 0.7 m 副半径0.3 m 磁場 0.25 T プラズマ定常時間 100ms以上)においてトカマクプラズマを生成し、トモグラフィーなど一部計測器を設置することであった。しかし、PLATO装置は乱流場の精密観測のためオーミックコイルは鉄芯の効果をなくすため空芯であり、オーミックコイルによる周回電圧が3Vと小さいため、観測対象となるトカマク放電を生成することができなかった。そこで、トカマクプラズマを生成するためのターゲットとして強力なプラズマ生成するために磁気ヘリシティ入射装置を製作し、実機に設置しターゲットプラズマの生成を試みた。また、現有の電源および自作電源を用いて周回電圧が大きくなるコイル結線により電流を流すことを試みた。磁気ヘリシティ入射実験においては、ターゲットとなるプラズマの生成には成功したものの、主電源の故障などにより、トカマクプラズマ生成は今年度の課題となる。一方、コイル結線を変えた別電源によるトカマクプラズマの生成についてはプラズマ電流が誘起され10V程度のトロイダル周回電圧があればトカマクプラズマが生成できることが示された。また、プラズマの基幹設備や計測(リミター、磁気プローブ、フラックスループなど)を製作したほか、磁気ヘリシティ入射については、径方向3カ所に設置し、生成効率の位置依存性や、3台同時入射などによる生成効率の違いなどを調べることができるように製作した。従来のようにフラックスループについてもトロイダル全体ではなく局所的なものとするなど、ユニークな試みを実施している。
3: やや遅れている
当初の予定では2022年度にトカマクプラズマを生成し、トモグラフィー計測を行う予定であったが、電源の故障などもありプラズマの生成の進捗が遅れている。先に書いたようにオーミックコイルによって生成されるトロイダル周回電圧が小さいことにより観測対象となるプラズマ生成が遅れており、その解決のために局所ヘリシティー入射や別コイルを用いた生成法の準備を進めている。
今後、局所ヘリシティ入射や別コイルによるプラズマ電流立ち上げを試みる。現在、別コイルを用いた方法ではプラズマ電流が流れトカマクプラズマの生成に成功している。この条件で、Haのトモグラフィーシステムを早急に取り付け、立ち上がりの状況について研究する。また、トカマク装置の基本設備としてのリミターやプローブやフラックスループなどの磁気計測を製作し設置し電流生成実験を継続し、電流立ち上げ時の閉磁気面形成過程を調べるために、Haのトモグラフィーシステムを設置し立ち上げ時のプラズマの挙動を観測する。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (25件) (うち国際学会 6件、 招待講演 3件) 備考 (2件)
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