研究課題/領域番号 |
22H00237
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
伊藤 一秀 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (20329220)
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研究分担者 |
久我 一喜 九州大学, 総合理工学研究院, 助教 (60905727)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | in silico human model / CFD / Host Cell Dynamics / Inhalation Exposure / Respiratory Infection / Thermo-regulation / Indoor Air Quality |
研究実績の概要 |
(1-1) In silico人体モデル開発のための人体プラットフォーム基盤整備:人体詳細幾何形状・呼吸器系(気道)幾何形状を再現した複数のCFD解析用の人体モデルの開発の実績を基に,流体解析として意味のある鼻腔・口腔から気管支第16分岐(終末細気管支)までを完全に再現した呼吸器モデルを作製した.この精緻な呼吸器モデルを人体形状データに統合し,部位別の体内感染症数理モデル,生理的薬物動態モデルや体温調節モデルを統合するための数理プラットフォームを整備した. (1-2) 飛沫・飛沫核生成に関する数値解析モデルの作成:気道粘膜フィルムが高速気流で剥離し粒子化する現象を数理的に再現するEulerian Wall Filmモデルを作製し,(1-1)で開発した気管支第16分岐まで再現した呼吸器モデル内の粘液輸送・気道内CFD解析に実装した.Eulerian Wall Filmモデルと咳プロファイルを与えた非定常CFD解析,Lagrange粒子解析を連成した予備解析を実施し,呼出される飛沫・飛沫核分布が既往実験結果を十分な精度で再現出来ることを確認した. (1-3) 感染性病原物質の経気道曝露・感染メカニズムを記述する生体防御反応モデルの作成:鼻腔・口腔から気管支を経て終末細気管支に至る呼吸器系の粘膜上皮に対する感染性病原物質の沈着とその後の増殖,生体防御反応(宿主細胞ダイナミクスを記述する体内感染症数理モデル)を決定論的感染症モデル(宿主細胞(T),感染細胞(I),ウイルス(V)と免疫因子の常微分方程式群)として定式化した.その上で,気道界面での粘液輸送を考慮した新たなモデルパラメータ同定法を提案した.気道モデル内に沈着したウイルス含有エアロゾル粒子の不均一分布を初期条件としたウイルス増殖シミュレーションを実施し,Human Challenge データとの比較も行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特に大きな変更点や問題無く,当初の研究計画に従って研究を推進している.既に,本研究に関連する研究分野ではトップジャーナルとなるComputer Methods and Programs in BiomedicineならびにPLOS Computational Biolodyなどに複数の研究成果も公表されており,順調に研究が進展していると判断している.
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今後の研究の推進方策 |
当初の件研究計画に従って順調に研究を推進しており,今後も研究計画に従って着実に研究を推進する予定である.
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