研究課題/領域番号 |
22H00300
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
宇治原 徹 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (60312641)
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研究分担者 |
沓掛 健太朗 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 研究員 (00463795)
原田 俊太 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 准教授 (30612460)
烏山 昌幸 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40628640)
河村 貴宏 三重大学, 工学研究科, 助教 (80581511)
岡野 泰則 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (90204007)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 結晶成長 / SiC / 機械学習 / シミュレーション |
研究実績の概要 |
我々はSiC溶液成長において、高温溶液内部の温度や流れの状態を即座に予測できるサロゲートモデルを機械学習技術により構築し、それを活用してプロセス設計を行い、6インチの大口径成長を早期に実現してきた。ところで、欠陥の形成や低減においてはステップバンチングやステップの湾曲や蛇行などによって形成される複雑な結晶表面構造が重要となる。本研究では、「稀」な欠陥形成をも再現するような、結晶成長過程の表面構造のすべてを潜在空間上にモデル化し、潜在空間上で究極の最適プロセスを設計することを目的としている。(1)結晶成長表面の3次元的構造を実サイズ(センチメートルオーダー)で再現する大規模代理モデルを潜在空間に構築する。(2)人間には抽象化できる質的な状態を潜在空間上の潜在変数として定量化する手法を確立し、重要ではあるが表現できなかった抽象的性質も含めて最適化する技術を構築する。(3)大口径SiC結晶の長時間成長において常に最適な表面を維持したまま高品質結晶を実現する究極の時系列プロセスを設計し、実際に実験 で証明する。 当該年度は、3次元的な構造発展を再現するモデルとして、ステップバンチングを表現できるフェーズフィールドモデルの開発を行った。また、それに必要な界面エネルギーおよび反応係数の導出をさまざまな文献値をもとに行った。また、ステップバンチング構造を機械学習技術を用いて潜在空間上に表す技術の開発を行った。さらに、実験によりステップ構造を観察しモデルとの比較を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していたフェーズフィールド法によるモデル化に成功し、研究の土台は完成した。また機械学習による数値化にも成功した。おおむね予定していたことは実施した。
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今後の研究の推進方策 |
当該年度において、機械学習によりステップ構造を潜在空間上で表現したが、当初予想していたよりも精度が悪いことがわかったため、小規模で高速に計算できるシミュレーションで代替して研究開発を行うこととする。ほかについては当初予定通り進める。
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