現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究課題では、炭疽病原菌由来の分泌型RNase (Secreted RNase)であるSRN1とSRN2が宿主に認識されることを見いだしている。その認識はおそらくその酵素生成物であるRNAと予想される。本年度は、SRN2のシグナルペプチドのあとにタグを付けた上で宿主植物であるキュウリあるいはモデル宿主であるベンサミアーナタバコで発現させ、その局在を確認した。また、srn変異体のコロニー形状の表現型, 胞子形状, SRN1発現量を定量した。既知のシグナル因子であるBAK1, SGT1, EDS1 が必要であるかどうかを、ベンサミアーナタバコを用いてサイレンシングして、その表現型を確認した。結果は陰性であった。H75A/H130Aとは異なる活性残基を失活させたSRN2をベンサミアーナタバコあるいはキュウリに発現させ、細胞死あるいは活性酸素の誘導への影響を検証し、タンパク質そのものが認識されているか否かを検証した。H75A/H130Aとは異なる活性残基を失活させたSRN2をベンサミアーナタバコあるいはキュウリに発現させ、細胞死あるいは活性酸素の誘導への影響を検証し、タンパク質そのものが認識されているか否かを検証した。その結果、細胞死活性酸素誘導能が欠失していた。また、植物は病原体認識の際にROSを発生するが、その制御およびシグナル伝達系はいまだに未解明である。本研究室で同定した因子であるPB1CPおよびCARD1については、生化学的および遺伝学的解析を継続しておこなった。具体的には、PB1CPおよびCARD1にタグを付けて免疫沈降をおこない同定した複合体の因子それぞれについて、タグをつけ、その結合の条件を明らかにできている。
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