研究課題/領域番号 |
22H00385
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
長崎 慶三 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 教授 (00222175)
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研究分担者 |
前田 広道 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (20437734)
花崎 和弘 高知大学, 医学部附属病院, 特任教授 (30240790)
岡崎 友輔 京都大学, 化学研究所, 助教 (40823745)
高橋 迪子 高知大学, 医学部, 特任助教 (40868189)
緒方 博之 京都大学, 化学研究所, 教授 (70291432)
吉田 天士 京都大学, 農学研究科, 教授 (80305490)
和田 啓 宮崎大学, 医学部, 教授 (80379304)
遠藤 寿 京都大学, 化学研究所, 准教授 (80795055)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 赤潮 / 二本鎖DNAウイルスHaV / 特異的感染性 / 感受性 / クローン多様性 / 生え戻り現象 |
研究実績の概要 |
赤潮原因藻ヘテロシグマ株およびHaV株の間で「完全でない溶藻現象」が起こる組合せがあることに注目した。とくに一次的な溶藻の後に宿主株が再増殖する現象(生え戻り)に注目し、生え戻り後の細胞とそれ以前の細胞の性質の違いを精査した。 実験には、①オリジナル培養、②オリジナル培養中の細胞の均一性を確認するために作製した単離株(オリジナル単離株)、および③ウイルス接種後に増殖した生え戻り細胞を単離し株化したもの(生え戻り株)を使用した。 オリジナル培養から単離した94 株はすべてウイルスに感受性を示した。このうち溶藻後に再増殖しない株が64.1 %、次いで生え戻りを起こす株が23.2 %を占めた。生え戻り株はHaV109接種後も増殖を続け、接種から4 日後に219,000 cells/mLまで増殖した。なお、接種時と10 日後のウイルス粒子数には有意差がみられなかった(p<0.05)。これらの結果から、生え戻り株はウイルスに対する抵抗性を獲得している可能性が示された。交差反応試験の結果、生え戻り株はオリジナル培養およびオリジナル単離株とは相補的な感受性パターンを示した点が特に注目された。すなわち生え戻り株は、オリジナル培養・オリジナル単離株に感染するウイルスグループⅠおよびⅡに対しては抵抗性、オリジナル培養・オリジナル単離株に感染しないウイルスグループⅢに対しては感受性であった。 以上の結果から、①単一細胞に由来するクローン培養中においても細胞間で感受性/抵抗性の程度が異なること、ならびに②ウイルス感染によって細胞集団の示す感受性パターンが劇的に変動しうることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ウイルス感染を巡るヘテロシグマの生態について新奇な知見が得られた。とくに生え戻り株がオリジナル培養およびオリジナル単離株と相補的な感受性パターンを示した点は、宿主側のウイルス抵抗性を駆動するメカニズムと深くかかわっていると考えられ、今後の研究において注視すべき点と思われる。
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今後の研究の推進方策 |
日本各地から宿主株およびウイルス株を収集し、交差反応試験を行う。これにより両者のタイピングを行う。宿主特異性という点で代表的なウイルス株より、高度反復領域をLong PCRで増幅し、ナノポアシーケンスにより解読・配列比較を行う。
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