• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実績報告書

双極性障害における体細胞変異の意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22H00468
研究機関順天堂大学

研究代表者

加藤 忠史  順天堂大学, 医学部, 教授 (30214381)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード双極性障害
研究実績の概要

双極性障害患者トリオ家系(患者とその両親)の高深度エクソームシーケンス解析を行った。これらの家系で見いだされたモザイク変異について、その特徴を調べ、神経発達障害の原因遺伝子上の機能障害モザイク変異が双極性障害患者に多いという特徴を見いだした。この特徴は、双極性障害のモザイク変異に特徴的であった。機能障害変異がモザイクで見られた神経発達障害の原因遺伝子にコードされているタンパク質は、密接に結合したタンパクータンパクネットワークを形成していることがわかった。ケースコントロールサンプルの中からも、3名の双極性障害患者から神経発達障害の原因遺伝子の機能障害性の変異が見いだされた。また、ミトコンドリアDNA(mtDNA)のヘテロプラスミー変異では、患者でtRNA変異の割合が高く、これは双極性障害に特異的な所見であることがわかった。ケースコントロール解析でも、双極性障害ではtRNAのヘテロプラスミー変異が多く、特に、特にミトコンドリア病MELAS(Mitochondrial myopathy,encephalopathy,lactic acido- sis,stroke-like episodes)の原因変異であるm.3243A>G変異の頻度は、双極性障害では一般集団に比べて高かった。これらの結果から、双極性障害には、神経発達障害の原因遺伝子がモザイク変異として存在していること、あるいは神経症状を引き起こすミトコンドリア病であるMELASの原因遺伝子が、ミトコンドリア病よりも低い率で存在していることが関係していると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定した成果が得られたため。

今後の研究の推進方策

今後は3243変異を持つ患者由来iPS細胞を用いた機能解析を進めていく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Deep exome sequencing identifies enrichment of deleterious mosaic variants in neurodevelopmental disorder genes and mitochondrial tRNA regions in bipolar disorder2023

    • 著者名/発表者名
      Nishioka Masaki、Takayama Jun、Sakai Naomi、Kazuno An-a、Ishiwata Mizuho、Ueda Junko、Hayama Takashi、Fujii Kumiko、Someya Toshiyuki、Kuriyama Shinichi、Tamiya Gen、Takata Atsushi、Kato Tadafumi
    • 雑誌名

      Molecular Psychiatry

      巻: 28 ページ: 4294~4306

    • DOI

      10.1038/s41380-023-02096-x

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi