研究課題/領域番号 |
22H00521
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
村上 隆夫 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (80587981)
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研究分担者 |
南 和宏 統計数理研究所, データ科学研究系, 教授 (10579410)
日野 英逸 統計数理研究所, モデリング研究系, 教授 (10580079)
Attrapadung Nuttapong 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究チーム長 (40515300)
曹 洋 北海道大学, 情報科学研究員, 准教授 (60836344)
大原 一真 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (80836479)
佐久間 淳 筑波大学, システム情報系, 教授 (90376963)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 差分プライバシー / グラフ / 分散型SNS |
研究実績の概要 |
本研究では,分散型SNSにおいて,元データが漏洩しないことを保証する差分プライバシー(DP: Differential Privacy)を満たすように,グラフの統計情報や機械学習モデルを求める技術の確立を目標としている.
令和4年度では,以下の成果を上げた. (1) グラフ統計量としてtriangle countに着眼し,ユーザが送信したデータをランダムにシャッフルした上でデータ収集者に送る中間サーバ(shuffler)を介することで,ユーザとデータ収集者とのデータのやり取りは1回のみで(one-round),差分プライバシーを満たしつつtriangle countを推定するアルゴリズムを提案した.提案アルゴリズムの理論解析および評価実験を行い,局所型差分プライバシー(LDP: Local Differential Privacy)を満たす従来のone-roundアルゴリズムと比較して,推定精度が大幅に向上できることを示した. 本成果は,情報セキュリティ分野のトップ国際会議ACM CCS'22に採択された. (2) グラフ統計量として次数分布に着眼し,node(ユーザ)を秘匿する局所型差分プライバシー(node LDP: node Local Differntial Privacy)を満たしつつ,次数分布を推定するアルゴリズムを提案した.評価実験を行い,提案手法の有効性を示した.本成果は,難関国際会議IEEE BigData'22に採択された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
shufflerを導入したtriangle countの推定アルゴリズムを提案し,情報セキュリティ分野のトップ国際会議ACM CCS'22に採択された.また,node LDPを満たしつつ次数分布を推定するアルゴリズムを提案し,難関国際会議IEEE BigData'22に採択された.以上より,順調に推移している.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,(1)GNNなどの機械学習に向けたグラフDP技術,(2)グラフLDPに対する汚染攻撃やバックドア攻撃とその対策技術,(3)グラフにおけるDPと秘密計算の融合 などの研究を推進していく.
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