研究実績の概要 |
3種の錐体(L,M,S)、杆体、光感受性網膜神経節細胞(メラノプシン細胞)の5つの応答量に加え、網膜位置と刺激サイズも変数とする5原色の色彩理論を構築することで、明るさ(エネルギー)効率の高い照明光の分光分布設計や5元測色値による異デバイス間の完全な色再現を実現することを目的としている。また中心視では赤系の色に見えるが周辺視では緑系の色に見えてしまう「危険な光」の発生原因について色覚メカニズムの観点から解明し、安全な光の分光強度分布を設計する手法も確立するための実験を実施した。 これまで用いてきたキセノンランプによる実験刺激呈示装置に加え、今回購入したマルチLED波長可変照明を用いた実験装置を新たに構築した。また、分光放射計とPCを組み込んだオートキャリブレーション機能を実装し、その改良を進めている。3種の錐体(L,M,S)、杆体、メラノプシン細胞の5つの応答量をそれぞれ独立に制御可能な色刺激の分光分布を生成するアルゴリズムを用いて、色刺激を自動で生成可能なシステムを開発するとともに、分光視感度を測定する装置のプロトタイプを開発した。 中心視では赤系の色に見えるが周辺視では緑系の色に見えてしまう「危険な光」に関する研究成果が、原著論文として国際オンラインジャーナルに掲載された。また中心視における刺激サイズの効果についての実験を行い、現在そのデータの解析ならびに追加実験の計画を進めている。さらにカリフォルニア大学のWerner教授らとの国際共同研究も開始した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定どおり新規の波長可変照明を用いた実験装置を構築した。分光放射計とPCを組み込んだオートキャリブレーション機能の実装については現在進行中である。3種の錐体(L,M,S)、杆体、メラノプシン細胞の5つの応答量をそれぞれ独立に制御可能な色刺激の分光分布を生成するアルゴリズムを用いて色刺激を自動で生成可能なシステムを開発するとともに、分光視感度を測定するシステムを開発した。 実験で得られた結果が原著論文として国際オンラインジャーナルに掲載された。また中心視における刺激サイズの効果についての実験を開始した。全体として、おおむね順調に進展している。
|