研究実績の概要 |
1. ERAD および逆輸送関連分子 KO 影響解析: RNF5, RNF185, HECT-X の機能阻害は,delF508-CFTR の ERAD および retrotranslocation を阻害した.一方で,D18G-TTR, Insig-1 の ERAD には影響を与えなかったことから,RNF5, RNF185, HECT-X の基質選択性が示唆された. 2. 新規 ERAD モデル基質の構築: HiBiT tag を融合した CD4-LUM*(ERAD-L), CD4-TMD*(ERAD-M),CD4-delF-NBD1(ERAD-C) を構築した.ERAD 速度を定量したが,ERAD 促進が見られないモデルタンパク質があったため,今後,改変・最適化を行う. 3. NanoBiT 法による逆輸送分子の基質結合解析: RNF185 に関して,変異体解析により delF508-CFTR との相互作用に重要な領域が判明した.今後,他の E3 や ERAD 基質においても,NanoBiT 法による解析を進める. 4. RNA-Seq 解析による ERAD 関連分子の同定: RNA-Seq 解析の結果,RNF5/185 KO 時に発現誘導されるユビキチンリガーゼ (E3) を見出した.本 E3 分子を KD すると,delF508-CFTR ERAD および retrotranslocation が劇的に阻害された.従って,本 E3 は RNF5/185 が関与する ERAD 経路の機能が低下する際に,代償的に機能する ERAD 機構に関与する可能性が示唆された.
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